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Ep.7 あかりちゃんとのランチ

ผู้เขียน: いろは杏
last update วันที่เผยแพร่: 2026-05-13 16:01:25

四時間目の授業が終わって、ようやく昼休み。

クラスメイトたちがお弁当を出し始めたり、購買や食堂へ向かったりする中で、僕はあかりちゃんとの約束を思い出して少し緊張していた。

「つーちゃん、お迎えに来たよっ!」

そんなことを考えていると、教室の前扉からあかりちゃんがひょっこりと顔を出した。

D組の子が堂々とC組まで迎えに来るなんて、結構目立つんじゃ……。

「つーちゃんとデートするのっ!」

デートって……!

僕の顔が一気に熱くなる。

「え、えーっと……」

「……あの、私も一緒に行ってもいいかな?」

戸惑う僕を庇うように、隣の席から桜井さんがスッと立ち上がった。

……もしかして、助け舟を出してくれたってことなのかな?

「もちろん! 美月ちゃんも可愛いし大歓迎!」

「ありがとう。じゃあ、三人で食堂に行こうか」

桜井さんの提案で、僕たちは連れ立って教室を出た。

* * *

「つーちゃん、今日は何食べるの?」

食堂までの廊下を歩きながら、あかりちゃんが僕の腕にぎゅっとくっついてくる。

左にあかりちゃん、右に桜井さん。美少女二人に挟まれて歩くなんて、男時代には想像もできなかった状況に、冷や汗が止まらない。

「何にしようかな……」

券売機の前でメニューを見ながら悩む。なんとなくだけど、男だった時に比べて、そこまで強烈にお腹が空いていない気がする。

「つーちゃん、この特製カツサンドとかどう?」

「……う、うん。いいね――じゃあ、それにしようかな」

結局、僕はカツサンドとサラダを、あかりちゃんは唐揚げ弁当を、桜井さんはチキンライスを注文した。

でも、受け取りカウンターでズッシリとしたカツサンドを渡された時、今の小さな胃袋で食べきれるか、少しだけ不安になった。

「あ、あそこの席が空いてる!」

あかりちゃんが窓際の空席を見つけて手を振る。

四人がけのテーブルで、あかりちゃんが僕の隣にピタリとくっついて座り、桜井さんが向かい側に座った。

「いただきます」

三人で手を合わせて、食事を始める。

あかりちゃんが不自然なほど僕に寄り添ってくるのが、なんだかくすぐったいを通り越して、すごく恥ずかしい。

「それにしても、つーちゃんって、なんか他の女の子と違う感じがするんだよね」

あかりちゃんが唐揚げを頬張りながら、じっと僕の顔を見つめて言った。

「え? 違うって……」

「なんていうかな……すっごく可愛いのに、妙に無防備っていうか、放っておけない特別な雰囲気があるの。なんでそんなに可愛いの?」

「そ、それは……」

直球の褒め言葉に言葉に詰まっていると、桜井さんが少し考えるような表情を見せた。

「……翼ちゃん、あかりちゃんなら話しても大丈夫かも。隠していても、いずれ噂になるだろうし」

「話すって?」

あかりちゃんが小首を傾げる。

僕は桜井さんと目を合わせて、小さく頷いた。

この子は本当に僕のことを気に入ってくれているみたいだし、早めに本当のことを言っておいた方がいいだろう。

僕は、これまでの事情をポツポツと話し始めた。

「――というわけで、科学部の実験事故で……昨日から、この身体に。元々は、男としてこの学校に通ってたんです」

「えっ!? マジで!?」

あかりちゃんの声が響いて、近くの席の人が何人か振り返る。

「あかりちゃん、声が大きい……」

桜井さんが慌てて口元に人差し指を立てる。

「ご、ごめん」

あかりちゃんが両手で口を押さえる。でも、その目は驚きどころか、異常なほどキラキラと輝いていた。

「それって超すごくない!?」

「え……引かないの?」

「引くわけないじゃん! だって、つーちゃんが女の子になったんでしょ? それって奇跡じゃん!」

僕は完全に困惑した。てっきり「えー、元男なの!?」と引かれて、距離を置かれるとばかり思っていたのに。

「これって絶対運命だよ!」

「運命?」

「あたしが可愛い女の子大好きだから、神様がつーちゃんを女の子にして、あたしに引き合わせてくれたんだよ!」

「そんな無茶苦茶な……」

「無茶苦茶じゃないよ! もう、前よりもっともーっと好きになっちゃった!」

桜井さんも、呆れたような、でも少し微笑ましいような表情であかりちゃんのポジティブすぎる暴走を見ている。

「世界でたった一人の、あたしだけのつーちゃん!」

あかりちゃんがギュッと僕に抱きついてくる。

「う、うわっ! あ、あかりちゃん!?」

「にしし、もっと攻めちゃお――はい、あーんっ!」

突然、あかりちゃんが箸でつまんだ唐揚げを、僕の口元に持ってくる。

「え、えーっと……」

「遠慮しないでっ! あたしの愛情たっぷり込めた『あーん』だよ」

愛情って……!

顔が真っ赤になってフリーズしていると――。

「……あかりちゃん、翼ちゃんが困ってるよ。それに、翼ちゃんには自分で頼んだカツサンドがあるんだから」

桜井さんが、少しだけ棘のある声で助け舟を出してくれた。

「えー? 美月ちゃん、もしかしてヤキモチ? いいよ、美月ちゃんにもあーんしてあげる!」

「い、いらないわよ!」

むくれる桜井さんと、けらけら笑うあかりちゃん。

あかりちゃんには全く悪気がないのがよくわかる。純粋に、僕という存在をそのまま受け入れて、好意を向けてくれているんだ。

「ねぇねぇ、女の子になるってどんな感じ?」

あかりちゃんが興味深そうに聞いてくる。

「うーん……一昨日の夜になったばっかりだから、まだあんまりわからないけど。やっぱりカツサンド一つ食べるのもちょっとキツいかもって思うくらい食が細くなったり、あとは……少し感情が豊かになったような気がしたり……」

「感情が豊かって?」

「なんか、涙もろくなったというか、些細なことにビックリしやすくなったというか……」

「可愛い~!」

あかりちゃんがまた僕の肩に擦り寄ってくる。

「中身がどうであれ、つーちゃんはつーちゃんだよね」

「うん……」

「ますます、つーちゃんのこと好きになっちゃった」

桜井さんが、あかりちゃんのあっけらかんとした反応を見て、心底安心したようにフッと息を吐いた。

「あかりちゃんが受け入れてくれて、よかった。翼ちゃん、すごく不安そうだったから」

「当たり前だよ! つーちゃんのことは、あたしが絶対に幸せにするもん」

あかりちゃんの真剣な顔に、僕は胸が熱くなった。

女の子に「幸せにする」と言われるのは少し不思議な気分だけど……。

「あ、ありがとう、あかりちゃん」

「お礼なんていらないよ。あたしたち、運命の相手なんだからっ!」

運命って……この子は本当に。

でも、あかりちゃんの真っ直ぐな気持ちは、今の僕にとってたまらなく嬉しかった。

「……あ、もう昼休み終わっちゃう」

桜井さんが壁の時計を見て言う。

「えー、もっと話していたい」

あかりちゃんが心底残念そうに唇を尖らせる。

「また今度、三人で食べようね」

「うん、絶対だよ!」

僕たちは食器を片付けて、それぞれの教室に戻る準備をした。結局、カツサンドは桜井さんに半分食べてもらった。

「つーちゃん、美月ちゃん、またね!」

廊下の分岐点で、あかりちゃんが大きく手を振る。

「うん、今日はありがとう」

桜井さんと一緒にC組に戻る途中、僕は今日の昼休みのことを振り返っていた。

「あかりちゃんと仲良くできそうで、よかったね」

「うん……でも、ちょっとスキンシップが積極的すぎるかも」

「ふふっ。でも、翼ちゃんのことを本当に大切に思ってくれてるのがわかるよ」

桜井さんの優しい言葉に、僕は頷いた。

大輔に避けられているような寂しさはあるけれど、女の子としての学校生活が、また一つ彩り豊かになった気がする。

そんな前向きなことを思いながら、僕はC組の教室の扉を開けたのだった。

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