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第10話:有休中の仕事

작가: 大正
last update 게시일: 2026-04-22 07:00:26

 30分待つことなく、武器だけ買いそろえた俺は南門へ向かった。その場で先に待っていたイアンちゃんと合流する。イアンちゃんはさっきより一枚二枚多く着込んだような服装で、頭には軽めの帽子をかぶっていた。

 腰にはしっかりナイフを持ち、戦う準備は万端という感じだ。

 実際にはもっと重苦しい装備もできたんだろうが、薬草採取ならこのぐらいで大丈夫だろう、という感じだな。

「早かったですね。そういえば、武器も持たせずに待ち合わせに来てしまいました。今から急いで武器だけでもそろえに行きますか? 」

「いや、アイテムボックスに入れてある。この通り」

 アイテムボックスから手の中に滑らかな動きでショートソードを取り出すと、それで納得したのかおおっという声を出して反応する。

「あんまり人前でアイテムボックス使いだって見せないほうがいいです。隠しておくほうがいいです」

「そうか。あんまり使う人が多くないってことだな」

「それもありますが、スリや盗みの犯人だと難癖をつけられることもありますからね。注意してください」

 なるほど、俺の財布はこいつのアイテムボックスの中だ、と言いつけるわけか。そのやり口は確かに効果的だな。

「じゃあ、外に出ようか。冒険者証を見せれば通行料はいらないんだよね? 」

「はいです。私も冒険者証を持ってますから、問題なく通り抜けることができます」

 南門を抜け、門を出る際に冒険者証を見せると、登録したてであることを確認される。

「日が沈んだら門は閉まるからな。それまでに帰ってくるんだぞ」

「はい、お気遣いどうも」

「新人が毎回やらかすんでな。新人を見かけたときは一声かけることになっている」

 なるほどね。注意喚起ご苦労様。さて、薬草が生えているという茂みのほうまで、少しピクニックと行くか。

 行くまでの道中で、冒険者のシステムについてレクチャーしてもらう。冒険者ランクはSSSからFまでの9段階あり、SSSランクには常に一つの冒険者パーティーしか到達できないという厳しい掟と、現段階ではSSSランクは空席であり、空いた椅子をめぐって今SSランクの冒険者がしのぎを削り合っていることなどを話してくれた。

 競争をあおって大きなヤマを片付けさせながら、消耗もさせることで決して楽はさせないという冒険者ギルドと国家の結託が後ろに若干透けて見えるが、少なくとも1年そこらの活動でそこまでランクが上がることはないだろう。俺には関係ない話だな。

「そんなわけで、今は「ちゃ団」と「炎の妖精」が張り合っている状況なんですよ」

「なるほどなあ……と、そろそろかな? 」

 俺の鑑定眼が光る。このあたりに薬草がある、ということを教えてくれている。

「たしか、半分は残せ、だっけ」

「そうです。そうすればまた取りに来る頃には育っていて、取りつくさない限りは比較的町の近くで採取を続けられることになります」

 半分かあ……そこそこあちこちに生えてはいるな。鑑定スキル持ちだと、生えているのが薬草かどうかも見分けがつくので非常に便利だ。後は根っこから抜けば品質は問題ないだろう。

「これで薬草採取一束目は完了かな。さあ、もうちょっと奥のほうへ探しに行ってみよう」

「あんまり草むらに近い所に行くとホーンラビットが出てくるので注意してください。頸動脈を噛み切りに来る非常に危険なウサギさんがいます」

「それってこいつのこと? 」

 体当たりしてそのまま首へ食らいつきに来ていたウサギを捕まえる。首の後ろを持っているので首筋までは届かず、じたばたともがいている。

「そうです、そいつです。たしか常設依頼で討伐も行っているはずなので、シメて血抜きをしてやればそのお肉が肉屋に買い取られて、そしていろんなお店でスープに入ってる肉スープの原材料になります」

 お昼に食べた銅貨8枚のスープの中の肉がこれか。肉スープにされても銅貨8枚ってことは、こいつ自身はそれほど価値のあるモンスターではないということだろう。

 ちなみに、このホーンラビットの買取価格は銅貨5枚らしい。よほどの間抜けや子供、重傷者でもない限りはホーンラビットに襲われることは少なく、さっきの俺みたいにひょいと首根っこをつかんでやれば、後は肉にされるまで心配することはないらしい。

 冷静に、これは食糧なんだと自分に言い聞かせると、首筋を狙って動脈のありそうなところを切り開き、そのまま放置して血抜きをしておく。初戦闘はショートソードすら使わずに終わってしまった。ほかに何かモンスター的なものはないんだろうか。

 気になったのでイアンちゃんに聞いてみることにした。

「他にモンスターとか、この辺にはいないの? 」

「そうですねえ。しいて言えばスライムですかね。薬草を食べに時々スライムが発生するので、見つけ次第駆除ってことになってます。スライムは体内で薬草を溶かして食べて、十分薬草を食べたスライムは錬金術の素材にも使われるそうです。ただ、人工生育も行われてるのでわざわざ野生のスライムを捕まえてまでやる話じゃないですね」

「じゃあ、見つけ次第倒してしまって問題ないのか……と、もう一匹ウサギが来たぞ」

 今度こそは、と、ショートソードを持ち直して迎え撃つ。と言っても体格差があるし、それほど強敵というわけでもないので、下手にへっぴり腰になって腰を打って傷める、というほうがまだ可能性が高いな。

 小動物らしく、まっすぐ向かってくるホーンラビットを受け止めるように中腰で迎え撃つと、首筋に一撃入れ、その傷を確かなものにするべく軽くグリグリとねじ込み、出血させる。あまりズタズタにしてしまうと、肉や毛皮としての質が落ちるだろうから丁寧に、確実に食べないであろう脳みそと血管を狙った。ショートソードでも大げさだったかもしれない。

 イアンちゃんみたいに、このあたりではナイフ一本で十分だったのだ。もうちょっとケチっておくべきだったか。でもまあ、今日の上りは金貨5枚。それ以上に稼げるような話はしばらくなさそうだし、この貯金と最初に持ち込んだお金でなんとか暮らしていこう。それに明日になったらあの奴隷の子がいくらになってるかも気になる。

 その後も合わせてホーンラビットを合計5体、ホルム草を16束、ハププ草を5束見つけることができた。さて、ホーンラビットは血抜きと毛皮や肉の具合で値段が差し引きされるらしく、いくらになるかで今日の稼ぎが決まるな。いくらになってくれているのやら。

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