เข้าสู่ระบบもう一つ、鋳造に興味を示した村人がいたので鋳造の方はそのおじさんに任せてジャリには鍛治に専念してもらうことになった。
木工と違って金属器はある程度の専門性が必要だからね。 もちろん木工も質のよいものを作るには匠の技術が必要なんだけど。 叩き出しの鍋釜もいいけど鋳物の生活用品はいいものだ。 鉄瓶が欲しい……。 冬の間は基本的に農作業ができないので村人は案外暇なんだけど、村を再建中のここではみんな朝から忙しく働いてくれた。 その上で合間を縫って軍事調練もするんだから、多分みんな不平不満を募らせていたんじゃないかと思うけど、特に愚痴を言うわけでもなく黙々と日々を過ごしていた。 そうこうするうちに雪が溶けて川になって流れてゆく頃、春のキャラバン隊が再びやってきた。 このキャラバンはルダーたちをこの村に連れてきた隊だから、廃村になったなんて世間の噂に惑わされずにいつもの通り村を訪れたってわけだ。「一年ぶりに来たが、見違えるようだな」
元々おじいさん商隊長さんだっ
(リリム)「なに?」 僕はルダーとクレタを見る。 二人ともリリムにちらりと視線を向ける。 声が聞こえたんだろうな。(この念話っての? リリムも声に出さないでできるの?)(できるわよ) うおっ! なんか変な感覚だ。 心地良いとは絶対言えないけど、嫌な感覚とも言えない。 それにしたって随分クリアに聞こえるもんだ。(そりゃ、雑音なしの思考の塊だものクリアに決まってるじゃない) ……個人的感想にまで返事しなくてもいいよ。(で、なに?)(きっと一部の人たちが、集まって話し合いをすると思うんだ。ちょっと探りたい)(おっけー) …………。(なに?)(リリムって魔法使えたよね?) 僕の知っている限り、明かりを灯す魔法と眠りの魔法が使えるはずだ。 ってことは、他にも使えるんじゃないかと考えたっていいだろ?(例えばだけど、リリムが見聞きしたものを直接僕が見聞きできるとか、そんな素晴らしい魔法が使えたりしない?)(スマホのビデオ通話みたいな?) 地球世界のこと詳しいな……。(そんな感じ)(さすがにそんな都合のいい魔法は使えないなぁ)(だよねぇ)(音声だけだったら魔法じゃなくて私とジャンの関係性でなんとかなるけどね) まじで!?(ただし、私が見える範囲にいないと繋がらないし、長時間は無理よ)(充分だ)「オギン」 僕が呼ぶと、僕の背後から声がする。 !? 心臓に悪い。「たぶん納得いかない奴らが密会すると思う。集まり出したら僕を呼びにきてくれ」「かしこまりました」 …………。「そのあとは、僕が館にいるていを装ってほしいんだ」「留守番ですか?」「そうとも言う」「かしこまりまし
事件は起きた。 そう、バカが三人テリトリーに侵入したんだ。 テリトリーを侵した奴が三人いると報告を受けた僕は、雑木林の巡回をしていたメンバーだけでなく、ルンカー職人と炭焼き職人も村へ引き揚げさせた。 直後に「主の咆哮」が森から響く。 鬱蒼と繁る森から聞こえてくるいつもの低く長いものじゃない。 村の中まで振動する激烈な音だ。 なぜ、僕が主の咆哮と判るかって? そりゃ、聞いたことがあるからだよ。 町人が何事かと中央広場に集まってくる。「お館様」 誰かが僕を見つけたことで町人の視線が僕に集まる。「なにがあったんですか?」「誰かが主のテリトリーを侵したらしい」 サビーからの報告を受けている僕はその誰かを知っているわけだけど、町人たちは知らない。 すぐさま安否確認が始まった。 増えたといっても百人足らずの小さな町だ。 あっという間に誰がいないか判明する。 バンブル、ビービー、ガルムの三人だ。 三人とも反お館派で、町の不良グループでもある。 三人とも一応成人してるけどね。 イゼルナが過呼吸で倒れる。 ガルムと付き合っているって噂だった。 ガルムといえば、ドブルの弟だったな。 「年をとってからの子だったこともあって、親父のデジンが猫っ可愛がりしている」と、よくドブルが愚痴ってた。 そういうドブルもたいがい甘やかしていたからこういう事態になったとも言える。「助けに行こう!」 ドブルがいうと、三人の親族を中心に賛同の声が上がる。「お館様」 町人の視線が改めて僕に注がれる。 そんな目で見てもダメだよ。「無茶だよ。これ以上被害を増やすわけにはいかない」「まだ死んだと決まったわけじゃない!」 確かに村の過去の記録には何人かの生還事例があるけれど、生還率は数%。 それも五体満足で戻ってきたものはいない。 僕の記憶にある三件
新参者が増えるとよく起こる習慣や物の考え方の違いによる軋轢もなかなか無視できない。 こう言っちゃなんだけど、「村人」は「村人」なのよね。 前世の都会人みたいに適度に隣人を無視するってのがなかなかできない。 ついついお節介を焼いたり、気に入らないことに口出しするとかでいらないいざこざが起きる。 そのたんびに僕が仲裁するんだけど、必ずしも双方納得ずくって裁可が下せるわけもなく、不満がたまって矛先が僕のところへ向くことが避けられない。 着の身着のままで逃げ込んでくる人たちもいるんで、物資不足も心配だ。 これから男爵相手に一丁事を構えるって言う準備に結構資源を割いてたりするんで、なおさらだ。 村の自給自足の根幹である畑仕事もしなきゃいけないし、外貨獲得のための特産品生産もやめるわけにいかない。 本格的な戦闘で男爵軍と渡り合うための訓練も生き残り戦略には欠かせない。 そして、最大の問題が「主」の存在だった。 新しくきた人たちには、雑木林の奥の森が「主」のテリトリーであるってことをいの一番に話して聞かせている。 僕自身で。 元々の村の唯一の生き残りである僕が、実体験も交えて口を酸っぱくして注意しているのに、不用意にテリトリーに入ろうとする奴が後をたたない。 主に十代の思慮の足りない奴らが度胸試しかなんかのつもりで「主」のテリトリーを侵そうとする。 サビーたちに雑木林の巡回警備をしてもらっているから事故は起きてないけど、困るんだよ。 本当に。 やばいんだよ。 とにかく。 見つけるたびに緊急集会を開いて「主」とテリトリーについて話してるのにさ。 いい加減頭にきたんで 「次にテリトリーを侵そうとする奴は無視してくれ」 とサビーに頼んだのが、キャラバンが来てカシオペア戦隊の五人が加わった翌日。 事件はその十日後に起きた。
前世でなにをしてきた人かは知らないけれど、このあたりの用意周到さは壮年期に太平洋戦争を経験した凄みとでも言うんかね? そりゃあ情報と物資の重要性をよう知ってるはずだわ。 頭でっかちな僕とは根っこが違う。「それにしたって賑わってるなぁ。もうちょっとした町だな」 うん、今日の五人を入れて人口九十人に届くよ。 野盗討伐戦後、村の町化計画を策定した際に人口規模百二十人と提示した。 目標まであと三十人だ。 当初計画では二ケ年かけて到達する計画だったのに秋までには達成しそうな勢いである。 急速な発展はいくつかの問題を発生していて、とても頭を悩ませている。 シ○シティ並みに次から次へとよく問題が発生するよ。 まず、住宅問題。 当初、簡易宿泊所で家ができるまで生活してもらうという予定だった。 貨幣経済が割とすんなり受け入れられたのをみて、一軒家以外に長屋も作る計画に変更した。 賃貸住宅を作ることで建設費と施工日数を減らすことに成功してはいるんだけど、なにせ人口流入が想定以上なので建設が追いつかず、バラック生活・キャンプ生活の人も出ている始末。 バラックに居ついてスラム化されると問題なんで早急に解決したいんだけど、リソース全部ぶっこむわけにもいかずにいる。 同じく人口増加に起因する食料問題。 現在は配給制だけど、本来男爵との戦のために備蓄に回すべき分を吐き出して対応しなくちゃいけない状況だ。 北に拡げている耕作地は、種蒔きできたのが従来の畑の五分の一程度。 百五十人規模にでもなったら配給を絞らなきゃならない事態になりかねない。 せっかく貨幣経済が回り始めたのに村内主力産業である外食産業がポシャっちゃう。
盛夏、キャラバンがまたひと組の父子家庭の家族を連れて村に戻ってきた。「そこで一緒になってな」 とジョーは言っていたが、多分表向きの話だ。 だってどうみても「できるっ!」って家族なんだもん。 親父はいかにも歴戦の戦士だし、三人の息子も畑仕事の体つきじゃない。 唯一の娘だって平凡に暮らしてきたらできっこない鋭い目つきで周囲を伺っている。 そもそもみんな似ていない。「いやいや、その設定はさすがに無理があるだろ」 と言うツッコミにニタニタと笑うだけなのが腹がたつ。「年の順にカイジョー、シメイ、オオダイ、ペギー、アーシカだ」 へー……頭文字がカシオペアかぁ(棒)「聞いたぞ。ついに男爵に目をつけられたんだって」「そうなんだ、参ったよ。オルバック様のお世継ぎ様、とか言うのがやってきたと思ったら『村が復興したなら税を払え。納税額は特別に前回並みにしといてやる。ありがたく思え』だってさ」「あー……そりゃまた残念な奴が当たったな」「まぁ、残念な奴のおかげで村の中に踏み込まれなかったから『物怪の幸い』だったんだけど」「年寄り臭い言い回しだな、前世はいくつまで生きてたんだよ」「四十の半ばだよ。ばあちゃん子だったんで言葉や趣味が多少、年寄り臭いのかもしれないけどさ。そっちは?」「天寿まっとう、七十二歳の大往生だ。明治大正昭和と生きてきたし、前世に思い残すことはない」 え? 明治大正!?「え? ジョーって僕のばあちゃん世代なの?」「なに!? そんなに世代が違うのか?」「僕は団塊ジュニア世代。ルダーは戦中派だって」「団塊ジュニア……それが四十半ばってことは未来人だな。まぁいいや前世の話はルダーも呼んで今度じっくり思い出話をするとして、男爵と事を構えるんなら必要だと思ってな。本物の戦士を連れてきてやったわけだ」
弓が使えると言えるのはサビーたち主要戦力の他は四、五人。 ガーブラは白兵戦の中心に置きたいし、ザイーダにはオギンと同様に僕のそばで伝令や諜報に回したい。 塀に囲まれた村にこもっての戦闘だとしても弓の撃ち合いだけで勝負が決まるわけがないから、サビーにもイラードにも白兵戦に参加してもらいたいところだ。 でも、そんなことしたら今度は射手の絶対数が足りなくなる。 命中精度も心許ないのに数撃ちができないんじゃ意味がない。 むーん……。 所詮農民兵団ってことだよねぇ。「女性陣に弓のできるのはいないの?」「女を戦さに駆り出すんですか?」 む〜ん……まだ文化レベルがその位置なのだね。 確かに白兵戦で力勝負とかなったら圧倒的不利だろうけどさ、弓ならいいんじゃないかなぁ? 強弓が引けなくてもいいんだよ。 命中精度も並なら十分だ。「声をかけるくらいいいだろ?」「お館様がそうすると言うなら従いますがね」 不服そうだな。 オギンだってザイーダだって女だろうに。 話題を変えるか。「防具の方はどうなってる?」 この国の基本防具は鎖帷子だ。 そんなもの作る技術はない。 だから革の鎧を作った。 膠を溶かしたお湯に浸した革を重ねて叩いて接着し鎧の形に成形して乾かすとあら不思議、胴鎧の完成だ。 ないよりまし、ないよりまし。「なかなか大変な作業とかで、秋までに十領揃えられるかどうかと言うことです」 同じ作り方で、木の板に革を張った盾も作らせているし、人数分なんてとてもじゃないけど揃えられないか。「その十領も革の確保ができてないんですけどね」 なんと!? 毛皮不足か!
「逃げたのはガキ一匹か」 と、僕の真下で傷だらけのごつい男が言っている。 こいつが盗賊団の頭目と見た。「へい、多分」「多分だと!?」「へ、へ……」 あたふたした下っ端が頭目にぶん殴られ、仰向けにぶっ倒れる。 気絶してろ! 盛大に気絶してろよ、でなきゃここにいることがバレる。 僕の祈りは天に通じたのか、そいつは白目をむいて動かない。「このさらに奥に行ったかもしれませんぜ」「ならいい」 頭目は、一言吐き捨てて踵
さて、ここからは前世の記憶をフル活用だ。 襲ってきたのは、十数人の盗賊団。村には女子供を含めて三十人ちょっと。ここは本当に農村の一集落だった。 ん? この世界は前世知識的にどれくらいの文明水準なんだ? くそっ、ど田舎の未成年じゃ参照知識がなさすぎる。 異世界転生ものならそれなりの環境に生まれ直させろっての。 ──って言っても仕方ないわけで、そもそもテンプレの神様にあった記憶がない。 現世の記憶を手繰り寄せてもなろう系のお作法である知ってるゲーム世界的な場所でもなさそうだ。 あ、もっとも僕、
村に戻った僕は村人の埋葬をする。 人の死には慣れている。 現世の僕が、だけど。 この世界は前世の世界と違って文明水準が高くない。 当然医療水準も高くない。 田舎だからってのはあるかもしれない。 大きな街はもしかしたらすごく発展しているのかもしれない。 魔法のある世界だから、当然治癒魔法もあるはずだ。 でもそれがどれくらいの効果があるかもわからない。 だからこの村はよく人が死んだ。 子供は特によく死んだ。 僕にも姉と妹がいたらしい。 妹の方はかす
僕は十五歳の朝を木の枝の上で迎えた。 この世界の元服、つまり成人の儀式が行われる日だ。 確かに一生忘れられない日にはなったけど……切ない。 あまりにも切ない。 秋とはいえ、昼頃になればそれなりに暖かくなる。 今日は天気もいいので昼頃にはむしろ汗ばむほどの陽気になった。 慎重にあたりの気配を確認しつつ、木から降り集落に戻ると、まだプスプスとくすぶっている焼け跡の中を歩く。 あたり一面、嫌な臭いが立ち込めているのは、村人の焼けた臭いだろう。 昨日から何も食べてないのに込み上げてくる胃液を吐き出し







