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4話

Penulis: 籘裏美馬
last update Terakhir Diperbarui: 2025-12-04 11:07:49

大学。

私は、午前中の授業を終え、奏斗に連絡をする。

迎えに来てくれるって言ってたけど、連絡を送ってから、今さら本当に大丈夫か、と心配になってしまった。

奏斗は、背も高いしオーラもある。

いくら変装をしていても、芸能人だって言う事がバレてしまうかもしれない。

やっぱり、断ろうか。

そう思ったけど、私のスマホが通知を知らせる。

送信者は、奏斗。

私が送った連絡に、奏斗から「了解」とだけ返事が返ってきていた。

「やっぱり迎えにこなくていいよって言いにくいな……」

私がそんな事を呟いていると、私の名前が呼ばれた。

「香月ー?どうしたの?お昼行こうよ!」

「──っ!うん、すぐ行く!」

友達から声をかけられた私は、トートバッグを肩にかけて慌てて友達に駆け寄った。

昼食を摂るために向かった先は、大学の学食。

友人数人とテーブルに集まった私は、頼んだお昼ご飯を口に運びながら、友人達の話に耳を傾けていた。

「ねえ、昨日の授賞式見た!?もう本当やばい!」

「見た見た!色気半端なかったよね!」

「もー、あの流し目ほんっとえっちだったぁ〜!」

きゃあきゃあ、と友人達が黄色い声を上げつつ、昨日のテレビの事を話している。

普段だったら、私もその輪の中に入るんだけど、何だか今日はそんな気分になれなくて。

私がもそもそと箸を動かしていると、友人の1人が私に話を振ってきた。

「ね、香月も勿論リアタイで見てたんでしょ!?」

急に話を振られ、私はご飯をごきゅり、と飲み込んでしまう。

変な所にご飯が入ってしまって、慌てて水で流し込んでから、友人に答えた。

「わ、私昨日は用事があってリアタイ出来てないの……。今日帰ったら見るつもりだから、ネタバレしないでよ〜!」

「ええっ、見てないのか〜。香月が見てないなんて意外だね、いつもKanato、Kanatoって興奮してるのに」

友人にからかい混じりにそう言われ、私は苦笑いを浮かべて曖昧に笑って返すしかない。

大学で出来た友人達。

その友人達には、私が奏斗と幼馴染な事は話していない。

奏斗が芸能界デビューして、アイドルとして大成功して…。

そうしたら、私と奏斗が幼馴染だと知っている中学や高校の同級生や、後輩、果ては卒業生から、沢山連絡がくるようになってしまったのだ。

ひっきりなしに届く連絡に、私は疲弊してしまった。

当時、とても仲の良かった友人ならともかく、ただの同級生や、私の事をどこかから知って、全く知らない人からも連絡がくるようになってしまったから。

だから、私は奏斗が芸能界デビューをして、人気が出た後にスマホを新しくした。

電話番号も新しくして、連絡ツールのSNSも削除した。

本当に仲の良い友人にだけ、連絡先を教えて。

仲の良い友人達は、私が奏斗を好きな事も知っていたし、応援してくれていたから、疎遠になることも、芸能人を紹介して、なんて事にもならずに今も仲良くさせてもらっている。

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