時刻は午前零時。 回転する秒針とそれを緩やかに追う長針が綺麗に重なり逢瀬を果たした瞬間、強烈な目眩に襲われた。「……っ」 それと同時に遅い来るのは突き刺すような鋭い痛み。余りの痛さに表情を歪め、呻き声を上げながら頭を抱え込み机に突っ伏す。「……うぅ……」 自然に溢れ出す涙が視界を歪め、まともに目を開けていられる状態ではない事に感じたのは危機感で、目眩を振り払うように乱暴に頭を動かすと、手を動かし鎮静効果のある頭痛薬を探す。指に触れた箱の感触を確かめてから取り出した白い錠剤。躊躇うこと無くそれを口に含み無理に飲み込んで暫し耐えれば、徐々に症状が和らぎ、漸く瞼を開くことができた。「一体……何だったん、だ……?」 額に浮いた脂汗を乱暴に拭うと、こめかみを押さえながら吐いた溜息。机の上に置かれているのは温くなってしまったエナジードリンクで、三本目の残りがそろそろ無くなりそうなところまで減ってしまっている。「寝不足、かなぁ」 考えてみればここ数日、新規でリリースされたゲームをやりこんでいた自覚はある。元々夜中にしか自由に遊べる時間を確保出来ないのだから、必然的に削られていくのは睡眠時間だ。「あ。空じゃん」 無意識に手を伸ばし缶を傾けたところで気が付く違和感。それもそのはずで、未だ中身の残っている缶は手にしたものの隣に置いてあったもの。中身がなくなった時点で片付ければ良かったのだが、その手間すら掛けたくないほど熱中していたゲームを切り上げるタイミングが掴めず、こうやってゴミの山が生成されていくのを止められない。「ってか、今日ってまだ木曜日かよ」 正確には先ほど木曜日に変わったばかり。「休みまであと二日もあるし」 明日が休みなら、このままオールである程度片付けてしまいたかった。 しかし、悲しいことに、普段からカレンダーに定められた曜日という概念に縛られる生活を繰り返しているため、休む理由も作れない社畜がゲームをやりたいからと休みを取るなんて、後が怖くて考えたくもない。「もう少し進めたかったんだけどなぁ」 そうは言っても体が休息を求めているのも事実だ。今現在の欲望と、明日に残る疲労と。それを天秤に掛けた結果、今進めているシナリオのムービーが終わったらゲームを終えるという選択を選ぶことにする。「ここまでが限界か」 中途半端な所で止めると先が
Dernière mise à jour : 2026-08-06 Read More