妻の血、愛人の祝宴
子宮外妊娠による大出血で、手術台の上で死の淵を彷徨っていた彼女。
しかしその時、夫は愛人のために都心の一等地の高級ホテルを貸し切り、盛大な誕生日パーティーを開いていた。
結婚して四年、あれほどまでに尽くしてきたというのに、彼の心を動かすことはできなかった。
彼が憎き仇の娘を手の中の宝物のように大切に慈しむ姿を目にした時、彼女の心は完全に壊れた。
一枚の離婚協議書を置き、彼女は静かに彼の前から姿を消した。
仕事の世界に舞い戻った彼女は、キャリアに没頭。
その才能は大輪の花が咲き、潮崎市中の注目を浴びる。
いつしか彼女は、上流階級の男たちが競って手に入れようとする、真の優秀な人材となっていた。
彼女の周りに男たちが群がる様子を見た冷徹な夫は、ついに平静を保てなくなった。
彼は自らの手で彼女の新たな縁談を次々と断ち切り、そして彼女を壁際に追い詰めた。
「離婚は認めない」