愛に傾いた代償
男尊女卑が根強いこの村で、僕の両親はその反対、姉を溺愛し僕を蔑ろにしていた。
姉はいつも可愛い服を着て、何もかもが流行の最先端。一方の僕は他人のように扱われていた。
姉が成人した夜、家の奥から姉の悲鳴が響いてきた。驚いて駆けつけようとした僕は、父に殴られてそのまま気を失ってしまった。
目を覚ましたとき、姉はすでに冷たくなっていて、その身体には青紫の痣が無数に残されていた。
ところが、両親は人が変わったように冷淡で、姉の遺体をゴミのように扱い、藁で簡単に巻くと村外れの山に埋めてしまった。
しかし翌日の夜、姉は何事もなかったかのように自分の部屋で布団に座っていた。
それ以来、村では次々と奇怪な出来事が起こるようになった。