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私って自由だったんだ

مؤلف: 桜森よなが
last update تاريخ النشر: 2026-06-23 05:53:58

 誰とも仲良くなれない町を出て、しばらく自転車を街道に沿ってこいでいた。

 先程から周囲がほぼ草木しかない光景が続いている。

 たまにゴブリンやスライムなどの低級のモンスターが襲い掛かってきたが、自転車でそのまま轢いて吹っ飛ばして進んでいく。

 数時間くらいこぎ続けているので、そろそろ一休みしたいな、と思っていた時、ちょうど数十メートルくらい先に、大きな木を見つけた。

「あそこの木陰で休憩しよう」

「わかりました」

「オッケー」

 クルシェさん、次いでチャーリーが返事をした。

 やがて、大きな木の前に着いたので、その近くに自転車を停めて、木に持たれるようにして座り込む。

「ふぅ」

「お疲れ様です、旅人さん、お茶、飲みますか?」

「それじゃあ飲もうかな」

 クルシェさんが自転車のかごに入れていたバッグから水筒を取り出して、カップにお茶を注いで、僕に手渡してきた。

「どうぞ」

「ありがとう」

 ごくごく、と喉を鳴らしながら飲む。

 アイスティーだった。よく冷えてておいしい。

「ぷはぁ、おいしかった、ありがとう、クルシェさん」

「どういたしまして、ところで、旅人さんにお願いしたいことがあるんですけど」

 と僕の傍に座った彼女が言う。

「なんだい?」

「そのクルシェさんってやめませんか、クルシェでいいですよ」

「じゃあこれからはクルシェと呼ぶよ、それじゃあ、僕の方からも一ついいかな」

「なんでしょう」

「その旅人さんっていうの、やめない? 僕は矢島輝彦っていう名前なんだ、だから、矢島でも輝彦でもいいよ、チャーリーは僕のことをテルと呼んでいるからそれでもいいよ」

「そうですね……では、これからはご主人様と呼ぼうと思います」

「……え、なんで?」

「だって、私、メイドですし、前の雇い主からは解雇されてしまったので、新しいご主人様が必要だと思うんです、いやでしたか?」

「いやではないけど」

「それでは、これからはご主人様と呼びますね」

「あ、うん」

 ご主人様、か。数年前、日本でメイド喫茶に行った時以来だ。そう呼ばれたの。

 まさか異世界でもそう呼ばれるとは……。

 でも、正直、悪い気分はしないので、まぁいいか。

「あの、ご主人様、実はもう一つ、お願いがあるんですが」

「なんだい? 何でも言ってごらん」

「その、できればでいいんですが、私も自転車をこいでみたいです!」

  と彼女はチャーリーを指差して言う。

「チャーリー、いいか?」

「いいわよ」

「ありがとうございます、実はずーっとこいでみたかったんです」

 そして、彼女は自転車をこぎ始めるのだが、

「あわ、あわわわ、これ、バランスとるのが、難しいんですね、あ、あわ、ああっ!」

 ガシャン、と倒れ込む。

 スカートから少しパンツが見えそうになって、慌てて僕は顔をそらす。

彼女はその様子の僕を見て、顔をさぁっと赤くして、スカートを手で押さえた。

「あ、み、見ました?」

「なんのことだい?」

「見てないんですね?」

「だからなんのことだ?」

「見てないなら、いいですけど……」

 クルシェが疑いの目で見てくる。

 実はちょっと見てしまった。ほんの一瞬だけだけど。

 ごほんと咳払いしてから、話題をそらそうと試みる。

「ところで、怪我とかしてない、だいじょうぶ?」

 彼女の傍へ行き、手を差し出した。

「はい、大丈夫です」

 彼女は僕の手を掴んで立ち上がった後、パンパンと手で服に付いた土ぼこりを払う。

「ご主人様ってすごいんですね、あんな難しい乗り物を乗りこなすなんて」

「最初は難しく感じるかもしれないけど、慣れたら簡単だよ、最初は僕が押さえてるから、ちょっとずつうまくなろう」

「はい」

 それから一時間くらい、僕が荷台を手で押さえながら彼女は自転車をこいだ。

 だいぶうまくなってきたからそろそろ一人でこがせてみようかな。

 いつまでも僕が助けていたらうまくならないし。

「放さないでくださいね、ご主人様、放さないでくださいね」

「うん、放さない放さない」

 嘘だ、今から放すつもりだ。

 そろそろかな。

 僕は荷台を掴んでいた手を放した。

「は、放さないでくださいね、ご主人様」

「うん、放さない、放さない」

 もう放してるけどね。

 彼女は僕から離れてものの見事にひとりでこいでいた。

「放さないでくださいね、放さないで……て、手を放してるじゃないですかぁ!」

 彼女はちらっと後ろを見て、絶叫する。

「あ、後ろ見てると、危ないよ」

「あ、わわ、わ!」

 彼女はバランスを崩して、倒れ込んだ。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃないです、ご主人様のばかぁ、うそつき!」

「あはは、ごめん、でも、ひとりでこげていたじゃないか」

「あ、そうですね、言われてみればこげていました、やったぁ!」

 と彼女は倒れたまま、ガッツポーズをした。

 僕も初めて自転車をこげたときはこうだったなぁと少年の頃を思い出して、なんだかほほえましくなる。

「ほら、手を貸すよ」

 と手を差し出したのだが、彼女は僕の手を取らず、地面に倒れ伏して、空を見上げていた。

「どうしたの? どこか痛めた?」

「あ、ちがうんです、ただ、こうやって空を眺めてて、思ったんです、私って自由だったんだなぁって」

「どうしたの、急に?」

「あ、ごめんなさい、突然、変なこと言いだして、でも、私、故郷ではずっと親の言いなりで、それが嫌で家を飛び出したんですけど、流れ着いたあの町のあの屋敷でも、結局、町長やメイド長の言いなりで……、いろんな人に、ずっとああしろこうしろと言われて、私、それをやらなくちゃいけないことだと思っていました。でも、それは思い込みだったんですね。こうやって、この広い世界で自転車をこいで、転んで、空を見上げて、そのことに気づきました。やらないといけないことなんて、人生になかったんだ……」

「そうさ、だから、僕たちは行きたいところに行って、やりたいことをしよう」

「はい!」

「ひとりで起き上がれる?」

「あ、ごめんなさい、手を貸してください」

 彼女に手を貸して起き上がらせる。

「ちょっと疲れちゃいました」

 と苦笑する彼女。

「今日はここまでにしておこうか」

「またいつか自転車に乗せてもらっていいですか?」

「もちろんいいよ、なぁチャーリー」

「ええ」

「やった、ありがとうございます」

「それにしても、靴が汚れてしまったね」

「あ、ほんとだ」

「ちょっと、その靴、脱いでくれない?」

「へ?」

 とあっけにとられた顔をした後、キッと睨んできた。

「な、私の靴をどうするつもりですか、まさか、臭いを嗅ぐつもりですか、へ、変態!」

「いや、単に汚れていたから、拭いてあげようと思っただけだけど……」

「え、あ、そうだったんですか、ごめんなさい、以前の雇い主が、靴の臭いを嗅ぐのが好きな人だったので、てっきりそういう目的かと……」

 あの町長、そんな性癖を持っていたのかよ。

「実は時折、メイドたちに靴を脱ぐよう命令して、その臭いを嗅いでいたんです、あの町長さん、好みのタイプじゃなかったのか、私には命令してこなかったんですけど、他のメイドたちは被害に遭っていて、悪口に厳しい街だったのでみんな口には出さなかったけど、顔は引きつっていたので、内心は嫌がっていたと思います」

 うん、そりゃあ嫌だろうね。

「ごめんなさい、早とちりして、うう、わたし、また思ったことをそのまま口に出しちゃった……」

「べつにいいよ、それを承知で君と一緒に旅をしてるんだから」

「ご主人様はとても寛容ですね、私、今後は気を付けます」

「君の正直さは美徳だと思うからべつにそのままでいいと思うよ」

「嬉しいです、故郷の人以外でそう言ってくれるの、ご主人様くらいです」

 と感激した様子の彼女。

「あ、でも、僕以外の人に対しては、やっぱり気を付けてほしいかな」

 今後、いらぬトラブルを招きそうだし。

「あ、そうですよね、気を付けます……」

 とまたクルシェはしょんぼりする。

「さぁ、靴を脱いで」

「はい」

 と、彼女が両方の靴を脱ぎだした。

 彼女の生足がさらけ出される……

「どうかしましたか?」

「あ、いや、なんでも」

 彼女の綺麗な足に見惚れていたなんて言えない。

「いやらしい」

 チャーリーはそんな僕の内心を見抜いていたようで責める様にそう言ってくる。

「うるさい」

「どうかしましたか?」

 と首をかしげるクルシェ。

「あ、いや、何でもないよ、それじゃあ掃除するね」

 実は僕は靴を磨くのが結構好きだったりする。

 なんとなく、こうしていると落ち着くのだ。

 両方の靴とも、汚れをきれいにふき取り、仕上げに少しオイルを塗っておく。

 それにしても、この靴、良い皮を使っているな。彼女が使っているバッグも上等なものだし、結構裕福な家庭で育ったのかな?

 なんであの町でメイドなんてしていたんだろう?

「はい、掃除し終えたよ」

「わぁ、ピカピカ、ありがとうございます!」

 彼女はきれいになった靴を履いて、嬉しそうに飛び跳ねている。

 そこまで喜んでくれると掃除した側も嬉しい。

「さて、そろそろ先へ進もうか」

 僕が自転車に乗ると、彼女も荷台に乗ってきた。

 そして僕たちは旅を続けていく。

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    「はぁ?」 キランのその提案に、チャーリーが怒りと呆れが混じったような声を上げる。「なんでテルがそんなことしないといけないのよ、あたしと勝負しなさいよ、ぼこぼこにしてあげるわ」「俺はテルと戦いたいんだよ」「ふざけないで、なんでそんな分が悪い戦いをテルにさせなきゃならないのよ」 チャーリーの言うことはもっともだ。でも……。 僕は深く考えて、決意した。「わかった、キラン、サシで戦おう」「そうこなくちゃ」「はぁー?」 チャーリーが今度は僕に怒りを向ける。「何言ってんのよ、テル、正気?}「ああ、正気だ」「前からバカなんじゃないかと思ってたけど、まさかここまでバカだったとはね、一応聞くけど、理由は?」「……親友の頼みを聞いてやりたいんだ」 親友という言葉に、ぴくりとキランが眉を動かしたのが視界の端に映った。「……そんだけ?」「ああ、そんだけだ」「はぁーーーー」 と大げさに溜息をつくチャーリー。「……あんたじゃ、キランに勝てないわ」「そうだろうな」「死ぬわよ」「かもしれないな」「それでもやるの?」「ああ」「……はぁ、わかった、もう好きにしなさい」 と投げやりな感じで言うチャーリー。 クルシェはというと、先ほどからあわあわとしていて、僕とキランを交互に何度か見た後、両者の間に入ってきた。「ちょ、ちょっと、なんでそんな、一騎打ちなんて……、二人とも、あんなに仲良かったじゃないですか、どうして戦わないといけないんですか、やめましょうよ、こんなことに何の意味が……」 キランが鋭い目つきでクルシェの方を見る。「うるせぇ! 男の戦いに口出すんじゃねぇ、引っ込んでろ!」 彼にものすごい剣幕で怒鳴られたクルシェはびくびくっと震えて、よろよろとした動きで僕とキランの間から離れていった。 それから、僕とキランは見つめ合った。 お互い示し合わせたように、同じタイミングで、鞘から剣を抜いた。 チャーリーもクルシェも、もう何も言わなかった。、ただ固唾を飲んで、僕たちを見守っている。 僕とキランはお互いに距離を詰めていく。無言で、ゆっくりと、間合いを確かめながら。 キランの持つ剣の方が剣身が長いので、彼のほうが早く間合いに到達する。 だから、最初に仕掛けてきたのは、キランの側だった。 僕の頭に向かって、剣を振り下ろしてくる。

  • 最強のママチャリに乗って美少女と一緒に異世界をのんびりと旅する   白銀の町と喋る雪ダルマと人間嫌いの男――1

     僕たちは訪れた町の酒場などでキランの情報を収集しながら、旅を続けた。 一月以上経過した頃、白銀の町と言われているところで、キランがいるという情報を手に入れた。 僕たちはそこへ訪れることにした。 その町へ近づいていくにつれ、地面は雪道になっていき、 チャーリーは魔法で雪を溶かしながら前進した。 白銀の町へ着くと、入り口から少し先へ行ったところに、大きな雪ダルマがあった。「ようこそ、白銀の町へ」 雪ダルマがしゃべった!?「わぁ、かわいいですね」 とクルシェが目を輝かせている。 「魔法で喋っているのか?」「いえ、これはモンスターみたいね」 僕の問いにチャーリーが冷静に答える。 モンスターということなので、僕が短剣を鞘から抜いて、臨戦態勢をとると、雪ダルマが慌てた様子で、「ちょ、何もしないよ、僕は悪いモンスターじゃないよ」 と言うが、モンスターの言うことなので、僕は真に受けず、警戒を解かないでいると、一人の人物がこちらにやってきた。「安心してください、そのモンスターは本当に危害を加えたりはしませんよ」 やってきた人物がニコニコとした顔でそう言う。「あなたは?」「私は町長のビルモントです。その雪ダルマは私が物心ついた時からこの町にいる、穏やかな性格のモンスターですよ」 僕の疑問に町長はそう答えた。 周囲を見回すが、たしかにモンスターがいると言うのに、この町の人々は特に気にしているそぶりはなかった。 僕は短剣を鞘にしまい、警戒を解いた。 雪ダルマがほっと一息をつく。「僕が善良だとわかってくれたようでよかったよ、この町についてわからないことがあったら何でも言ってね」「じゃあ、訊きたいんだけど、この町に赤髪の美男子が来なかったか?」「赤髪の美男子……ああ、二日前にここに来たよ」「今はどこにいるかわかるか?」「ごめん、それはちょっと……」 としょぼんとした様子の雪だるま。「私もその赤髪の男を二日前に見かけましたが、今どこにいるかはわかりませんね、酒場にいけば、情報が手に入りやすいと思いますよ」 と町長が言うので、酒場の場所を教えてもらい、そこへ向かった。 店内に入ると、僕とクルシェがお酒を頼んで、届いたそれを飲みながら、キランのことについて聞き込みをすると、なんとほんの少し前までこの酒場にいたというのだ。 酒を一気

  • 最強のママチャリに乗って美少女と一緒に異世界をのんびりと旅する   眠るのが好きな人々の町

     眠らない人々の町を出て、休憩しながら自転車をこぎ続けて、五日後、僕たちは眠るのが好きな人々の町というところに着いた。 が、しかし――「誰もいませんね」 とクルシェがぽつりと言う。 もう今は昼くらいの時間帯なのに、誰も見かけない。 どこの家も窓の奥が真っ暗だった。「ちゃんと、人は住んでいるんだよな……?」 と僕が疑問を口にすると、「そう聞いているけど」とチャーリーが自信なさげに言った。 人の気配がしない町の中を歩き回ること数十分、目の前にあった家の窓の奥が明るくなると、その家のドアから誰かが出てきた。「おや、旅人さんかな」 その人物が僕たちに近づいてくる。年齢はおそらく5,60歳くらいだが、若々しくて活力のある男性だった。「あなたは?」 と僕が訊くと、彼はよく通る声で、「私はここの町長のトルテスです、さぞやびっくりしたことでしょう、外に誰もいないから。まだほとんどの人が寝てるんですよ、ここの住民は皆一日に12時間は寝ていますからね」「12時間も?」「それ以上寝ている者もいるくらいですよ」「なんでそんなに寝ているんですか」「他の者は知りませんが、私は単純に好きだからですね、眠るのが。だって、朝、早起きせずにたくさん眠れるのって幸せじゃないですか?」 そう言われ、考えてみる。 前の世界では学校とかバイトとかで早起きしないといけないことが多かったから、休みの日に遅くまでぐっすりと眠れる時はたしかに幸せだったかも……。 それが毎日続くなると、さすがにそのありがたみが薄れそうだが。「どうですか、あなたたちも時間を気にせず、ゆっくり寝てみては」「そうですね、この町ではそうしようと思います、ところで、この町に中波と法村って人がいると思うんですけど、ご存じでしょうか」「ああ、知っているよ、知り合いなのかい? じゃあお二人の所に案内しよう、まずはここから近い、法村さんの方から行きましょうか」 町長はある家の前まで案内してくれると、二度寝すると言って去っていった。 まだ眠るつもりなのか……。   僕は法村の家の呼び鈴を鳴らした。  すると、すぐにドアが開かれ、男が出てきた。「どなたですか……て、矢島か?」「ああ、そうだ、久しぶりだな」「いや、ほんとそうだよ、元気してたか!」「うん、そっちは」「まぁ元気だよ、あ、どうぞ上

  • 最強のママチャリに乗って美少女と一緒に異世界をのんびりと旅する   不幸な人がいない村――3

     翌日、朝早く目覚めてしまったので、散歩でもしようかとドアを開けようとしたとき、「なに、どこか行くの、あたしも連れて行きなさいよ」 とチャーリーが声をかけてくる。 先程までいびきをかいていたので、ついさっき起きたみたいだ。「うーん……なんですか、ご主人様、一人でどこへ行くつもりですか……私も行きます……」 クルシェもまぶたをこすりながら、ベッドから起き上がってくる。「散歩に行くだけだよ、二人も行く?」 はい、と二人とも返事をしたので、クルシェが顔を洗って、着替えるのを待ってから出発することにした。 一階に降り、玄関へ向かうと、モップで床を掃除しているあの従業員に出くわした。コ

  • 最強のママチャリに乗って美少女と一緒に異世界をのんびりと旅する   誰とも仲良くなれない町――3

     翌朝、ふかふかのベッドの上で、目覚める。 寝ぼけた頭で昨日のことを振り返る。 えっと、昨夜はあれからマンティコアの墓を町長たちと一緒に作って、それから町長の屋敷にお邪魔して、お風呂を借りた後、案内されたこの客室ですぐにベッドに倒れ込んで眠ったんだっけ。 ぐぐっと伸びをする。 ここ最近、ずっと野宿だったから、久々に気持ちよく寝られたな。 部屋の端に鎮座しておいたチャーリーの方を見る。「ぐーすー、ぐがー」 盛大にあくびをしていた。 こいつがあくびをしながら寝ているのを見るのは今日が初めてじゃないが、何度見てもシュールな光景だ。 そのとき、こんこん、とドアがノックされた。「ど

  • 最強のママチャリに乗って美少女と一緒に異世界をのんびりと旅する   誰とも仲良くなれない町――2

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  • 最強のママチャリに乗って美少女と一緒に異世界をのんびりと旅する   誰とも仲良くなれない町――1

    「テル、もうすぐ町につくわよ」 と乗っているママチャリの方から声が聞こえる。 この自転車、なんとしゃべるのだ。 二年前、異世界に転移したのだが、そのときこのママチャリごとこっちの世界へ来てしまった。 元々は普通の自転車だったのだが、なぜかこの世界に来た途端、人間みたいに意志を持ち言葉を話すようになったのだ。「前方にモンスター発見」 とママチャリが言う。 数十メートル先に、角が額に生えたウサギ――アルミラージがいる 一見かわいらしいが、かなり狂暴で、人を見るやいなや襲い掛かってくる危険なモンスターだ。「で、どうするの?」「このまま轢こう」「わかったわ」 モンスターがこち

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