短編恋愛 のストーリーと小説

情熱の深淵を探求する魅惑的な 恋愛 短編ストーリーのコレクションをご覧ください。 恋愛 についての想像力を刺激し、燃え上がらせる 1 時間の短編小説を探している読者に最適です。
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僕が去ると、元妻の会社は潰れた - 恋愛 小説 & 故事
夫を取り戻す修羅場
愛人
ひいき/自己中
みっつ
7歳のあの年、母が連れて帰ってきたハンサムなおじさんが、僕にマンゴーを一箱くれた。 あの日、父は、夢中でマンゴーを食べている僕を見つめると、離婚届に署名し、ビルから飛び降りた。 それ以来、マンゴーは僕の一生のトラウマとなった。 だから、結婚の日、妻の林田美咲(はやしだ みさき)に言ったんだ。 「もし離婚したくなったら、マンゴーを一つくれればそれでいい」 妻は何も言わずに僕を抱きしめてくれた。それ以来、マンゴーは彼女にとっても触れることのできないものとなった。 結婚して五年目のクリスマスイブ、妻の幼なじみが、彼女のデスクの上にマンゴーを一つ置いた。 その日、妻は幼なじみである井頭伸也(いがしら しんや)との絶縁を宣言し、彼を会社から追い出した。 あの日、僕は心の底から思った――彼女こそが、運命の人だと。 それから半年後、僕は海外から十億円規模の契約をまとめて帰国した。 祝賀会の席で、妻が一杯のドリンクを差し出してきた。 半分ほど飲んだところで、あの会社を追い出された妻の幼なじみが、僕の背後に立ち、にやにやしながら言った。 「マンゴージュース、うまいか?」 僕は信じられない思いで美咲を見つめた。彼女は笑いをこらえながら言う。 「怒らないで、伸也がどうしてもあなたにドッキリを仕掛けたいって言うから。 マンゴーを食べさせたわけではないの。ただマンゴージュースを一杯渡しただけよ。 やっぱり、伸也の言う通りだね。マンゴーを食べられないなんて、ちょっとおかしいわ!ほら、さっきまであんなに美味しそうに飲んでたじゃない!」 冷たい表情で、僕は残ったマンゴージュースを彼女の顔にぶちまけ、そのまま背を向けて立ち去った。 この世に、決して冗談にしてはいけないことがある。 マンゴーも、そして僕が離婚を口にしたことも、絶対に冗談なんかじゃない。
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ハンドルは私が握るから - 恋愛 小説 & 故事
逆転
ドロドロ展開
ひいき/自己中
別所三山
豪雨の中、夫の遠藤笙介(えんどう しょうすけ)の迎えを待っていると、いつも車に便乗してくる同僚の吉田彩楓(よしだ あやか)がしつこく愚痴をこぼしてきた。 「旦那さん、今日はどうしてまだ来ないの?もう、寒すぎて無理!こっちは早く家に帰りたいのに!」 彼女の家は西の街にあり、毎回送り届けるために、笙介はかなり遠回りをさせられていた。 しかし、今日の私、篠原静香(しのはら しずか)は生理痛がひどく、お腹を押さえながら断るしかなかった。 「今日は体調が優れないから、早く帰って横になりたいの。悪いけど、彩楓、自分でタクシーを拾って帰ってくれる?また今度乗せてあげるから」 彩楓は不満げに唇を尖らせ、去っていった。 私はビルの下でさらに30分も待ったが、結局笙介から一本の電話がかかってきただけだった。 「お前の会社の下の通りがものすごく渋滞しててさ。少し先の交差点に車を停めたから、そこまで歩いてきてくれないか」 横殴りの風雨の中、私は必死に傘を差し、ようやく笙介の車を見つけ出した。 ドアを開けると、車内は彼の同僚たちでぎっしり埋まっており、私の座るスペースなどどこにもなかった。 笙介は車の窓を半分ほど下げると、助手席で乾いたタオルを使って髪を拭いている女性を指差した。 「舞衣(まい)がさっき交差点で友達を見かけてさ。その子が雨に濡れてて可哀想だったから、ついでに乗せてあげたんだよ。 どうせお前の会社はすぐ近くだろ?一旦会社に戻ってなよ。彼女たちを家に送り届けてから、また迎えに来るから」 吹き荒れる風に傘を壊され、雨水が容赦なく目に叩きつけられて、激しい痛みが走った。 笙介の車にぎっしりと詰め込まれた人たちを見ていると、私はふと、この結婚生活に猛烈に嫌気がさしてきた。
6.7
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浮気妻をレンタルにして大儲け - 恋愛 小説 & 故事
逆転
ドロドロ展開
ひいき/自己中
十枝コハク
復縁後、俺・柊奏多は妻・篠原莉乃をレンタルに出すことにした。 妻が男友達に呼び出されても、俺はもう嫉妬も怒りもしない。ただ淡々と、タイムチャージ制で料金を請求するだけだ。 昼間は1時間200万円、夜は400万円、休日は3倍の割増料金。これを始めて3ヶ月、俺の口座にはすでに4億円近い金が振り込まれていた。 パーティー用のスーツを一緒に選ぶ約束をしていた日、例の男友達から「包丁で指を切っちゃって」と泣き言の電話がかかってきた。 俺は顔も上げず、ただスマホの決済画面を見せて、送金を促した。 真夜中に俺が高熱を出して、妻の運転で病院へ向かう途中、また男友達から「酔っ払って気持ち悪くて眠れない」と連絡が入る。 慣れた手つきで傘を取り出して、そこの交差点で降ろすよう妻に告げた。 何か言いたげな彼女を見て、ただ冷たく笑ってやる。「送金を忘れるなよ」 息子の定期検診で病院へ行く日。男友達からまた電話が来た。 「美優が遊園地に行きたいって言っててさ。ああいう場所は、やっぱり女手がなきゃ楽しくないだろ……」 電話を切った妻が振り返って、息子にしゃがみ込んで何か言い訳をしようとしたその時、息子は俺の真似をして、彼女に向かって小さな手を差し出した。 「大丈夫だよ、ママ。お金さえくれればいいよ。今日は3倍の日だからね」
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白いバラが散ったあと - 恋愛 小説 & 故事
ひいき/自己中
愛人
切ない恋
マリモ
同窓会で、私・長瀬恵茉(ながせ えま)は彼氏に頼まれた用事を済ませて席へ戻った。 だけど、さっきまで私が座っていた場所には、もう親友の清水優奈(しみず ゆうな)が座っていた。 私のグラスも取り皿も片づけられ、新しい食器が並べられている。 まるで、最初から私なんてそこにいなかったかのように。 私に気づいた優奈が立ち上がろうとした、その瞬間―― 竹内英二(たけうち えいじ)は彼女の肩を軽く押さえた。 「どうせ俺たちが事件の話をしても、彼女にはわからないし。ここにいても愛想笑いするだけだから」 その場にいた誰一人として口を挟まなかった。 みんな知っている。 あの頃、家の事情で私は大学を中退せざるを得なかったことを。 大学時代、彼と優奈は法学部きっての名コンビだった。 数々の難事件を力を合わせて解決し、「最強のバディ」と呼ばれていた。 卒業後も二人はそろって一流法律事務所へ。 法曹界のエリートとして華々しい道を歩んでいる。 一方の私は―― 彼氏のコネでようやく事務所に入れてもらった、ただの雑務係。 私はその場に立ち尽くしたまま、何も言えなかった。 英二は私が買ってきたタバコを何気なく受け取ると、当然のように言った。 「優奈がジュース飲みたいって。悪いけど、買ってきてくれる?」 そう言いながら、一度も私を見ることはなかった。 すぐに彼はまた優奈との会話へ戻り、楽しそうに事件について語り合う。 二人の笑い声で満ちたその空間の中で―― 私は、ふいに疲れてしまった。 どれだけ必死に手を伸ばしても届かなかった人。 もう、その背中を追いかけるのはやめようと思った。
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色を奪ったあなたへ、さようなら - 恋愛 小説 & 故事
切ない恋
逆転
ひいき/自己中
徒然
御影樹(みかげ いつき)は、私が明るい色の服を着るのを嫌がった。 派手な色は安っぽい。自分まで安く見られる。 そう言われていたから、結婚して六年。 私のクローゼットには、黒と白とグレーの服しかなかった。 一度だけ、違う色を着たことがある。 樹が新鋭画家賞を受賞した日だった。 私は、初めて彼に会った日に着ていた小花柄のワンピースを選び、オーダーメイドの小さなケーキを手に、お祝いに向かった。 「脱げ。じゃなきゃ、俺の車には乗せない」 その場にいた人たちが、一斉に私を見た。 笑っていた顔が、今にも崩れそうになる。ケーキの袋の持ち手が、手のひらに食い込んで痛かった。 「樹、帰ってから話そう?」 けれど彼は、何も言わずに車を出した。 その日は、ひどい雨だった。 樹は一度も振り返らなかった。知らない街に、雨の中、私を置いていった。 …… そして、カラフル・マラソンの取材に行った日。 私は、一組のカップルに声をかけた。 二人が顔を上げる。 樹と、彼の幼なじみの森美詩(もり みう)だった。 美詩は楽しそうに話しながら、小花柄のワンピースの裾を揺らしていた。 まるで蝶みたいに、樹のそばで軽やかに笑っている。 私は目を伏せた。 黒ずくめの自分が、視界に入る。 なるほど、安っぽかったのは、色じゃなかった。 私だった。
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似顔絵捜査官の夫の裏切りで息子を失った私 - 恋愛 小説 & 故事
甘々シリアス
ひいき/自己中
妻を取り戻す修羅場
トビウオ
夫の神谷哲也(かみや てつや)は、指折りの似顔絵捜査官で、わずかな手がかりからでも犯人の似顔絵を描き出すことができた。もっとも、似顔絵捜査官といっても警察に所属しているわけではなく、個人の研究所を構え、警察から似顔絵捜査の委託を受けて活動している。 しかし息子である神谷辰樹(かみや たつき)が拉致された時、哲也が提示した犯人の似顔絵は、まったく無関係なホームレスを指し示していたため、結果として犯人を逃し、さらには息子の発見も遅れ、辰樹は命を失ってしまったのだ。 私・神谷凛(かみや りん)は三日三晩、遺体安置所で息子の亡骸のそばにいた。そんな私に、彼はメッセージを一通送ってきただけだった。 【凛、似顔絵にはもともと誤差があるし、たとえ拉致犯を見つけられたとしても、辰樹はすでに喘息の発作で亡くなってたと思うんだ。だから、お前は先に葬儀の準備をしてくれるか?】 だが、哲也の教え子である吉川萌香(よしかわ もえか)の投稿が、私の心を深く抉った。 【初めての似顔絵捜査でこんなに大きなミスをしたうえに、容疑者が映った監視カメラの映像まで消しちゃった。でも哲也さんが『俺が何とかする』って言ってくれたんだ。何があっても、哲也さんがいれば安心できる。 似顔絵を描いてるときなんか、すごく近くで優しく声をかけてくれて、何があっても怖がらなくていいって……もう哲也さんのこと、私だけのものにしたい!】 写真には、哲也が大きな手で萌香の手を包み込んでいる姿が写っていた。 そして、彼の薬指に光る指輪が、ひどく皮肉に思える。 胸が張り裂けるような思いで、私は哲也に電話をかけた。 「哲也、あなたは私の息子の命まで犠牲にして、可愛い教え子の尻拭いをしているの?」 電話の向こうの彼は、冷たく苛立った声で答える。 「凛、少し疑いすぎだぞ。事件と生活は別だろ?教え子がショックを受けてたから慰めただけで、それの何が問題だっていうんだ? それに、そんな些細なことでいちいち騒がれたら、こっちだってやってられないよ。 これ以上余計なことで騒ぐな。俺の研究所の評判に関わるだろ?」 電話を切った私は、息子の遺体を見つめる。 「辰樹、お母さんが全員に償わせるからね……」
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愛人のために、娘を見捨てたあなたをもう許さない - 恋愛 小説 & 故事
逆転
ドロドロ展開
ひいき/自己中
苺タルト
5歳の娘・一ノ瀬桃子(いちのせ ももこ)は、二度目の骨髄移植に耐えきれず、静かに息を引き取った。 「お父様にも、最後のお別れをなさいますか?」 斎場の職員が丁寧に尋ねてくれた。 一ノ瀬陽菜(いちのせ はるな)は涙で滲む目を伏せ、そっと首を横に振った。この1年、誰もが羨むような完璧な夫・一ノ瀬京介(いちのせ きょうすけ)が、桃子を救うため、何度もある女子大生のもとへ頼みに行っていたことを思い出すと、胸が締めつけられる。 もし桃子の死を知ったら、彼は立ち直れなくなるかもしれない。 だから今は、まだ伝えないでおくことにした。 陽菜が桃子の遺骨を抱えながら斎場を後にした時、骨髄を提供してくれた女子大学生に、ある絵を渡してほしいという、桃子の最期の言葉を思い出す。 そして陽菜は、京介から聞いた住所を頼りにマンションを訪ねた。だが、その信じがたい光景に、彼女はその場で立ち尽くした。 窓越しに見える部屋の中で、その女子大生と唇を重ね合っていた男。それは紛れもなく、自分の夫だった……
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散りゆく愛、マジックの如く - 恋愛 小説 & 故事
切ない恋
逆転
ひいき/自己中
チビッコ
篠崎玲奈(しのざき れいな)の辞書に、「手に入らない」という言葉はなかった。 舞台上で雪を降らせるマジシャン、結城悠真(ゆうき ゆうま)に出会うまでは。 街中が噂するほど熱烈にアプローチしても、彼は決まって「俺は君には不釣り合いだ」と突き放した。 情熱さえあれば、いつか彼の冷たい心も溶かせると信じていた。 だが、倉田結衣(くらた ゆい)の登場で状況は一変した。悠真は結衣のために公演をキャンセルし、彼女の両親を呼び寄せるために部屋まで借りた。そして、玲奈を完全に締め出したのだ。 水槽脱出マジックの日。小道具の錠には細工がされていた。火の手が上がった瞬間、彼は炎の中にいる結衣のもとへ駆け出し、一度として振り返ることはなかった。 結衣が海辺の漁船に監禁された時、彼は自らの手で玲奈を差し出し、「彼女と交換だ」と言い放った。 その時、玲奈は悟った。この世には、どれほど渇望しても決して手に入らないものがあるのだと。 3年後。名家である九条家の豪邸で開かれた婚約披露宴。ウェディングドレスに身を包んだ玲奈は、別の男のもとへ歩みを進めていた。 その背後で、悠真は床に崩れ落ち、目を真っ赤にして泣き咽んでいた。 玲奈は一度も振り返らなかった。彼女は彼に春を返し、本来の自分を取り戻したのだ。
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愛して、離れて、もう振り返らない - 恋愛 小説 & 故事
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冬霧の島
人工妊娠中絶の手術室の前で、医師が白川詩乃(しらかわ しの)に諭すように言った。 「中絶は体への負担が大きいです。産める状況なのであれば、できれば出産することも考えてみてください。もう一度、ご家族と相談されますか?」 詩乃はスマホを手に取り、鷹宮蓮司(たかみや れんじ)にメッセージを送った。 【病院にいる。子どもをおろすつもり】 返事はすぐに届いた。 【うん】 彼女がスマホの画面を医師に見せると、医師はそれ以上何も言わず、手術の準備に入った。 詩乃はその短い返事を見つめながら、ふと、自分がひどく哀れに思えた。 彼女はずっと、蓮司はただ淡々とした性格で、余計なことを言わない人なのだと思っていた。 けれど結婚して五年が経ち、ようやく気づいた。彼は感情に乏しい人間なのではない。ただ、持っている熱のすべてを、幼なじみの常盤安奈(ときわ あんな)に注いでいただけだった。 当然のように、詩乃に向けるものなど、淡々とした態度くらいしか残っていなかったのだ。 詩乃だって、何も言わずに我慢してきたわけではない。けれど蓮司はこう言った。 「俺と安奈は子どもの頃からの友達で、今は同僚でもある。彼女とは仕事で必要なやり取りをしているだけだ。それに、結婚生活なんてこういうものだろ。穏やかに、淡々と続いていくのが本物なんだ。腰を据えて暮らしていけば、それでいいじゃないか」 彼女は言い返せなかった。だから、彼のその淡々とした態度を受け入れようとした。
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俺のインスリンを盗んだ彼女の末路 - 恋愛 小説 & 故事
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愛人
ひいき/自己中
ジンジャー王
俺の彼女の橘琴音(たちばな ことね)のそばには、仲のいい男友達・中村大翔(なかむら ひろと)がいる。 山登りに行ったとき、そいつは俺が糖尿病で、糖分の多いものを口にできないと知っていながら、わざと甘いエナジーバーを食べるように仕向け、俺の血糖値を一気に上げた。 俺がインスリンを取り出して打とうとしたその時、薬が生理食塩水にすり替えられていることに気づき、背筋が凍った。 その場にへたり込み、吐き気に耐えきれず何度もえずく俺を見て、大翔は鼻で笑った。 「え、マジで?ちょっと糖分を取ったくらいで、そんな死にそうになるわけ? 琴音に頼んであんたの薬をすり替えてもらって正解だったな。じゃなきゃ、あんたがここまで大げさな芝居するやつだなんて分からなかったし。そんなひ弱な体で、これからどうやってうちの琴音を守るつもりなんだよ?」 俺は琴音を見た。もう呼吸が浅く、速くなり始めていた。 「琴音……薬を返してくれ……このままインスリンを打たなきゃ、俺、本当に死ぬ……」 彼女はわずかに眉をひそめた。 「さすがに演技が過ぎるでしょ。ちょっと甘いもの食べたくらいで死ぬなんて、聞いたことないし。 大翔の言う通り、あんたってほんと面倒くさい。せっかくみんなで集まってるのに、ここで空気壊して何がしたいの?」 俺はもう完全に心が冷えきって、そのまま母さんに電話をかけた。 「母さん、俺、いじめ殺されそうなんだけど。助けに来てくれないか」
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今さら愛されても、もう遅い - 恋愛 小説 & 故事
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刹那忍
俺、時沢晴人(ときざわ はると)は、陸崎汐音(りくざき しおん)を五年間愛し続けた。そして彼女は、俺の婚約者になった。 けれど、祖父が病で息を引き取ろうとしていたとき、汐音は手を差し伸べてくれなかった。 きっかけは、時沢家の養子が彼女にそう吹き込んだことだった。 この機会に俺の尖った部分を削ぎ落として、少しは打たれ強い人間にしてやればいい、と。 祖父は誰にも助けを求められないまま息を引き取った。 俺は彼女の望みどおり、尖っていた部分を削ぎ落とされ、打たれ強くなり、もう彼女にまとわりつくこともなくなった。 もちろん、彼女を愛することもなくなった。
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十年の約束、新生へ - 恋愛 小説 & 故事
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くまキャン
桐生涼介(きりゅう りょうすけ)が、またしても若い愛人を家に連れ込んだ時。 私はもう騒ぎ立てることはせず、彼らのためにコンドームまで用意してやるほど気が利いていた。 事が終わった後、彼は少し意外そうな顔をして私を見やり、口元に笑みを浮かべた。 「今回はずいぶん素直だな?やっと、無理に騒いでも無駄だと気づいて、妥協したのか?」 私は首を横に振り、そのまま離婚届を差し出した。 「10年の約束の期限が来たわ。もう関わりたくないの」
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夜明けを待っても、真相は明かされなかった - 恋愛 小説 & 故事
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親友の水城莉央(みずき りお)と、私の従兄、朝倉悠真(あさくら ゆうま)の結婚式で、5年付き合った私の婚約者、桐生怜司(きりゅう れいじ)が新婦の投げたブーケを受け取った。 最近は未婚女性だけを前に呼ぶのが気まずいからと、私たちの周りでは、男性も混ざってブーケを受け取るのが半ばお約束になっていた。 ゲストたちは、次に何が起きるのかわかっているように私を見た。祝福の声と、楽しげな笑いが式場で広がっていく。 けれど、怜司は私を一度も見なかった。 ブーケを手にした瞬間から、その目は窓際に座る白いドレスの女性に釘づけだった。 怜司の初恋相手。つい最近、帰国したばかりの白石紗良(しらいし さら)だった。
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試す彼女、99回目で御曹司に捨てられる - 恋愛 小説 & 故事
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はなまる日和
一ノ瀬澄佳(いちのせ すみか)は昔から、人を試すのが好きだった。 大学を出たばかりの俺に、一億の住宅ローンを背負わせようとしたのも、その一つだ。 俺が断ると、澄佳はすぐに、大学時代から人気者だった藤森雅彦(ふじもり まさひこ)へ、一億を超える豪邸を一括で買い与えた。 そして豪邸の権利書を手に、俺へ告げた。 「謹也、実は私、お金に困ってなんていなかったの。貧しいふりをしていたのは、あなたを試すためよ。 でも残念ね。あなたは不合格だったよ。もう、終わりにしましょう」 俺――遠野謹也(とおの きんや)は、ただ笑って背を向けた。 奇遇だな。 俺も国内一の資産家の息子で、貧しいふりをしていただけだ。 四年後、俺たちは富豪ランキングサミットで再会した。 その時の澄佳は、富豪ランキングの五十位以内に食い込んだばかりで、雅彦と腕を組んで会場へ入ってきた。 彼女は、ブランド物に見えない地味な服を着た俺が、カイエンのキーを手にしたまま子供を抱いてあやしているのを見て、どこかの家の運転手だと決めつけたらしい。 そして、嘲るように笑った。 「謹也、私に会うためにここまで来たの?ずいぶん必死なのね。 でも、もう無理よ。私は富豪ランキングに名を連ねる側で、あなたは人に雇われる側。今さら私に手が届くと思わないで」 俺は相手にしなかった。 ただ、親父にどうしても顔を出せとうるさく言われて来たことだけが、ひたすら恨めしい。 せっかく空けた、息子と過ごすための一日が、こんな場所で潰れてしまったのだから。
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弟子との一線を越えた夫は、憎む価値もない - 恋愛 小説 & 故事
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神谷柚希(かみや ゆずき)は、事故で腕を切断されてしまった息子の神谷健太(かみや けんた)を抱き、空港で救援を待っていた。すると突然、この便が誰かにチャーターされたという知らせが届いた。 「お願いします、どうにかなりませんか……」柚希は空港の係員の手にすがった。 「息子の腕は切断していて、一刻を争うんです。3時間以内に東都へ戻って手術を受けさせないといけないんです!」 切り落とされた腕が入った保冷バッグを、柚希は凍えそうになりながら必死に抱きしめ、絶対に離そうとはしなかった。 係員は困り果てた表情で答えた。 「申し訳ございませんが、神谷さんが通常の3倍の料金でこの機を貸し切られました。愛弟子の快気祝いを開かれるそうで、絶対に誰も乗せないよう指示を受けているんです」 神谷さんって? 「どちらの神谷さんですか?」柚希は問いただした。 係員は答えた。「有名なピアニストの、神谷雅臣(かみや まさおみ)さんです」 雅臣。それは、柚希の夫の名だった。
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全給料を奪うドケチ妻を見限り即離婚! - 恋愛 小説 & 故事
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青子ちゃん
前職から今の会社へ転職したことで、俺の給料もだいぶ上がった。 するとドケチの妻が、給料を全部渡してほしいと言ってきた。おまけに俺の小遣いまで大幅にカットするという。 「生活費に使うから」と大義名分を振りかざし、俺には一円の自由も与えないつもりらしい。 必死に電卓を叩く妻を横目に、俺は思わず尋ねた。「じゃあ、お前の給料はどうするんだ?」 彼女は当然といった様子で、「私たちの老後資金として貯金するのよ」と答えた。 俺は何も言わず、その月の給料を全額使い切ることにした。 次から次へと届く荷物を見て、ついに妻も我慢の限界を迎えた。 文句を言う彼女に、俺は満面の笑みで告げた。「お前が言ったんだろ?俺の給料は全部、家のことに使うってな」 彼女は血相を変えて叫んだ。「うちみたいな普通の家庭で、一ヶ月にこんな大金を使えるわけないでしょ!」 笑っちゃうよね。普通の家庭の生活費で、俺の給料なんて使い切れるわけがないこと、彼女だって知っているはずなのに。
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裁判官の妻に、腎臓を奪われた後 - 恋愛 小説 & 故事
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現役裁判官の妻・神崎志保(かんざき しほ)は、末期腎不全で命の危機にある初恋の相手・白石透(しらいし とおる)を救うため、あろうことか夫である俺――黒瀬慎(くろせ しん)の腎臓に目をつけた。 「冗談じゃない!俺だって腎不全なんだぞ。これ以上腎臓を奪われたら、本当に死んでしまう!」 必死に訴える俺に、志保は憎しみを隠そうともせず吐き捨てた。 「透はあんなに苦しんでいるのに、あなたはまだ嫉妬して見殺しにする気?本当に血も涙もないのね!」 その後、裁判官としての立場と人脈を使って同意書はでっち上げられ、俺の訴えは握り潰された。 意識も朦朧としたまま手術台に乗せられ、腎臓を奪われた。 その結果、腎不全は急速に悪化。 誰一人として看取る者もいないまま、冷たい病室のベッドで孤独に息を引き取った。
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前撮り当日、カメラマンにふと言われた。「笑うと、お姉さんによく似てますね」 そのひと言を聞いた近藤拓也(こんどう たくや)は、すぐに私の姉、芳賀可奈(はが かな)にもウェディングドレスを勧めた。 せっかくだから、記念に何枚か撮ってもらおう、と。 写真を選ぶ段になると、家族そろって可奈の写った一枚に見入り、口々に褒めちぎった。 「可奈は生まれつき、ドレスが映えるプロポーションなのよね」と母が言った。 「花嫁のお前より、よほど華があるじゃないか」と父も言った。 拓也は画面から目を離さず、いつまでも眺めていた。指先が止まったのは、可奈が振り返った瞬間を捉えた一枚だった。 「これ、披露宴の受付に飾ろう。よく撮れてる」 私は尋ねた。じゃあ、私の写真はどこに飾るの、と。 そこで初めて、彼は私の存在を思い出したような顔をした。 「お前と可奈は顔立ちが似てるから、招待客だって見分けはつかないさ。それに、可奈は結婚する予定もないんだ。一度くらいドレスを着る機会を作ってやるのも悪くないだろう」 思わず、笑いがこぼれた。 物心ついたときから、いつだってそうだった。可奈は苦労してきたのだから、私が譲る。可奈が欲しがれば、私が差し出す。可奈の持たないものを、私が持ってはいけない。 自分の結婚式さえ、可奈の夢を叶えるための舞台になってしまうのか。 アルバムの中から、拓也とふたりだけで写った、たった1枚の写真を、そっと抜き取った。 写っている私は、彼の隣で、精一杯の笑みを浮かべている。 けれど今こうして見返すと、まるで見知らぬ誰かのように見えた。 春が私のもとへ来なかったわけではない。ただ私はずっと、誰かの影の中に立ち、そこで春を待ち続けていただけだったのだ。 今度こそ、もう待つのはやめよう。
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八方みのり
夫・藤沢直哉(ふじさわ なおや)の誕生日。 私、藤沢夏帆(ふじさわ かほ)はバラの花束を抱え、彼を驚かせるつもりで、足音を立てないように郊外の家へ入った。 すると、私たちの寝室から、男女がじゃれ合う声が聞こえてきた。 西園綾香(にしぞの あやか)が、甘えた声で言った。 「夏帆さん、今日はこっちには来ないって聞いてますけど……大丈夫ですよね?」 直哉は、私には聞かせたことのない優しい声で答えた。 「心配しなくていい。あいつは俺に逆らえない。今日はこっちに来るなって言ってある。だから来ないよ」 床には、脱ぎ散らかされた服と、崩れたケーキがあった。 私は二人に声をかけることも、問い詰めることもせず、そっとドアを閉めて家を出た。
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翠星
結婚してわずか3日目。ハネムーンが、必ずしも二人だけのものではないのだと、初めて知った。 航空券は3ヶ月前、格安のセールで手に入れたもの。行き先は澄京、予約した席も、当然二人分だった。 出発の前夜、夫の近藤誠司が言い出した。彼の母親・近藤和江が腰痛持ちだから温泉に連れていきたい、それから、仕事を辞めたばかりの妹・近藤千佳も気晴らしに同行させたい、と。 「いいよ、家族だもんね」と答えた。 現地の温泉旅館に到着すると、ツインルームが一部屋しか空いていないとフロントに告げられた。 てっきりエキストラベッドを追加するのだと思っていた。しかし、誠司は母親と妹に視線を走らせた後、こちらを振り返って平然と言い放った。 「フロントでデイユースの部屋が空いてるか聞いて、そこでシャワーだけ浴びてきなよ。今夜はロビーのソファで適当に横になればいいから」 その言葉と同時に、和江の荷物を甲斐甲斐しく運び始めた。スーツケースを手に廊下に立ち尽くしていると、部屋から千佳がひょっこりと顔を出した。 「お義姉さーん、ついでに下に降りてミネラルウォーター買ってきてくれない?部屋のやつ、冷えてないんで」 碧ノ湖の夜風が吹き抜けて、驚くほど頭が冷えていく。かつてないほど、思考がクリアになるのを感じる。 ロビーへと降りて、その足で帰りの航空券について調べ始めた。私は、一人で帰るのだ。
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