Short Stories & Novels

Explore a diverse collection of captivating short stories that span various genres. Perfect for readers looking for quick literary escapes and engaging narratives.
入試で裏切った彼氏と親友、もう縁を切りました - All novels & stories
べつに
親友の中野若葉(なかの わかば)は、学力にまったく自信がなかった。だから、大学受験では総合型選抜に望みを託していた。しかし受験した大学はすべて不合格となり、一般入試での学力勝負から逃げることはできなかった。 私・山田寧々(やまだ ねね)は学年1位の彼氏・中山真司(なかやま しんじ)に、彼女に勉強を教えてほしいと頼んだ。 いつも優しい真司は、珍しく嫌そうな顔をした。 「寧々、お前は今まであいつの面倒を見すぎだよ。 あいつが支払えなかった学費だって、お前が自分の奨学金を使って助けてあげたじゃないか。 家庭問題に苦しむあいつのために、お前が警察に連絡した後、あいつの両親に殺されそうになったのを忘れたのか? あいつの成績じゃあ、高卒でバイトしたほうが、一番現実的だろ」 付き合って3年、私は初めて真司に怒った。 「若葉は私の親友なの。大切な人なんだから、そんな言い方しないで! もし手伝ってくれないなら、別れる!」 私と別れたくなかった真司は、仕方なく頷いた。 その後、若葉の成績はどんどん伸びていった。 私の努力もようやく実を結び、共通テストの自己採点が予想以上に高かった。 手応えもきちんとあるから、真司と同じ難関国立大学を狙えるはずだ。 しかし、WEB出願の締切直前、若葉は私の志望校を、絶対に届くはずのない東都中央大学へ勝手に変更した。 そして真司は、それを横で見ているだけで止めようとしなかった。
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愛娘は水の底に沈んだ - All novels & stories
入江しずか
私と妹は、 新生児取り違えによって、人生がすり替えられた二人だった。私は「本物のお嬢様」でありながら、家族から疎まれる存在だった。 ある日、妹と同時に誘拐され、犯人は私の指の一部を切り落として、両親に送りつけた。 ところが、両親はそれが妹の指でなくて良かったと胸を撫でおろしたのだ。妹の暗示に従って警察に連絡したが、通報が犯人にばれてしまった。 両親は妹を守るために、住所を漏らしたのは私だと嘘をついた。 その結果、私は犯人に無惨な拷問を受け、命を落とすこととなり、妹は無事に救出された。 しかし、両親が私の無残な遺体を目にしたとき、ようやく絶望の底に沈み、妹にも犯人にも、この償いをさせると誓った。
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裏切りの結婚記念日〜私は子を堕ろし、夫を捨てた〜 - All novels & stories
匿名
8回目の結婚記念日の朝、私、神谷莉子(かみや りこ)のもとに、神経を逆なでするメッセージが届いた。 夫の神谷慧(かみや けい)が支援している女子大生、結城朱音(ゆうき あかね)からのものだった。 写真の中の彼女は、私の結婚指輪をはめ、陽性反応の出た妊娠検査薬を手にしていた。 【莉子さん、私たち、遊びじゃないんです。慧さんと別れてもらえませんか】 【子どもも産めないのに、慧さんのそばに居続けるつもりですか?】 私は画面をそのままスクリーンショットに収め、返信する代わりに慧へ送った。ほどなくして慧から電話がかかってきた。出るなり、頭ごなしに怒鳴りつけてきた。 「朱音はちょっとふざけただけだろ!そんなことでいちいち騒ぐな。大人げないにもほどがある。お前のそういうところ、ほんと気持ち悪いんだよ!」 電話の向こうからは、朱音のすすり泣く声も聞こえてきた。私は何も言わず、そのまま電話を切った。 慧をブロックする前に、最後に一言だけ送った。 【じゃあ、離婚しよう。これでもう、気持ち悪い私と一緒にいなくて済むでしょ】
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偽装離婚の罠と私の逆襲 - All novels & stories
春の思い出
篠原昂(しのはら こう)の秘書が、またうつ病を再発させたらしい。 彼は離婚協議書を突き出してきた。 「ただの手続きだ。彼女の具合が良くなったら、すぐに復縁しよう」 私は紙の束を手に取り、数ページめくってから彼を見上げた。 「私に、身一つで出て行けってこと?」 彼はあからさまに眉をひそめた。 「ただの偽装離婚だろ。そんな細かいことまでいちいち口出しするなよ」 私は微笑んだまま無言で、静かに自分の名前を書き込んだ。 橘凛(たちばな りん)。 彼には到底分からないだろう。私がこの日を、どれほど長く待ち望んでいたかなど。
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目覚めない夢なら - All novels & stories
甘飴君
「攻略成功」のシステムメッセージと共に放たれた青い光が消えると、五十嵐礼奈(いがらし れな)は、やっとの思いで現実世界へと戻ってきた。 消毒液の匂いが鼻をつく。ゆっくりと目を開けると、病床の周りに、忘れられない人々の顔があった。 鬢に白い混じる両親、目の尻に小じわの刻まれた夫の竹内雅人(たけうち まさと)、そして彼女が去った時にはまだ言葉を覚え始めたばかりの子どもたちは、今やすっかり大きくなっている。 涙が一気に視界をぼやかした。五年間にも及ぶシステム任務の日々、バーチャル世界で必死に挑んできた過酷な難関――そのすべてが、ようやく報われたのだ。 しかし、システムに「現実世界に残る」と伝えようとしたその時、「カタッ」という音と共に、病室のドアが押し開けられた。 中に入ってきたのは、彼女と瓜二つの女だった。 しかし、それ以上に礼奈の心を揺さぶったのは、さっきまでベッドのそばにいた彼女の子どもたちが、嬉しそうにその女に駆け寄り、「ママ!」とはしゃいだ声をあげたことだ。
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生まれ変った私は彼を捨てた - All novels & stories
寝坊
結婚式の3日前、閉所恐怖症を患う結城湊(ゆうき みなと)の元カノが、私の車を山道の断崖絶壁に追い詰めた。 時速100キロの猛スピードで、12回も激しく追突してきた。 湊が警察官と共に駆けつけた時、私はひしゃげた運転席からレスキュー隊によってこじ開けられ、救出されようとしていた。 だが、彼は塗装が少し剥げただけの限定スポーツカーへと向かい、全身を震わせる桜井結衣(さくらい ゆい)を抱きしめた。 「湊、凛さんの額から血が出ている。急いで病院へ運んで縫合しないと」 湊は私を乗せた担架を手で制止し、血のにじむ私の額と痣だらけの腕をちらりと見て言った。 「ただの掠り傷だ。結衣は閉所恐怖症なんだ。こんな人里離れた山奥では彼女の状況の方が危険だ。先に彼女を病院へ運べ」 置き去りにされそうになった私は、最後の力を振り絞り、彼のズボンの裾を死に物狂いで掴んだ。 彼は眉をひそめ、私の指を強引に引き剥がした。 「結衣はわざとやったんじゃない。発作が起きただけだ。お前は弁護士なんだから、不可抗力という言葉くらい理解できるだろう。いい加減にしろ」 そう言うと、彼はアシスタントから和解合意書を受け取り、力が抜けた私の手首を掴んで、無理やり拇印を押させた。 「後から別の救急車が来る。もう少し我慢しろ」
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時が流れても、私は私でいられる - All novels & stories
春子
夏目夏希(なつめ なつき)は車の中で、夫の篠原繁人(しのはら しげと)の不倫の証拠を見つけてしまった。 相手は彼の初恋である九条未来(くじょう みらい)だった。 その瞬間から、夏希の心は、音を立てて冷えていく。彼女はひとりで中絶手術を受け、離婚を決意した。 けれど別れの日までの間、未来は何度も夏希を挑発し、繁人もまた迷うことなく未来の肩を持った。 すべてを終わらせるため、夏希が海外へと去る。そこでようやく繁人は、自分が失ったものの大切さに気づいた。 彼は夏希を自分の元へ連れ戻すと心に決めた。
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風はもう、ここにはいない - All novels & stories
水無月ねこ
六年続いた、誰にも知られない結婚生活。 ある日、夫がかつて愛した女性が戻ってきた。 私はそっと子どもの手を取り、その場所を彼女に返すことにした。
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祖父の命令で夫選び、私は宿敵を選んだ - All novels & stories
川滔々
私は幼なじみの石持英樹(いしもち ひでき)と一緒に交通事故に遭い、次に目を覚ましたとき―― 長年愛し合ってきた英樹が記憶を失ってしまった。 そして私はかすり傷ひとつないのに、体の中には何年も前に亡くなった祖母・花田歩美(はなだ あゆみ)の魂が入り込んだ。 「このガキ……また記憶を失ったって言い訳で、うちの可愛い菫を騙そうとして!私がこの世にいれば、あいつの足の骨の一本や二本、叩き折ってやるわ!」 私はぽかんと目を見開いた。 歩美の声は、なおも頭の中で怒鳴り続けている。 「前世で、うちの菫は英樹にさんざん苦しめられたんよ。 何年もろくでもない日々を過ごし、心臓病で死にかけてたのに、あいつは小雲安奈(おぐも あんな)と誕生日祝いでキャッキャして……腹立つわ! 菫よ。今回、おじいちゃんが縁談を選んでくれるとき、英樹だけは絶対にダメよ。川連涼太(かわつれ りょうた)を選びなさい。あの子は信頼できるわ!」 次の瞬間、本当に祖父の花田光夫(はなだ みつお)と数人の年長者たちが病室に入ってきて、四大名家の跡継ぎの写真を私の前にずらりと並べ、「夫にする相手を一人選べ」と言った。 私は迷うことなく、宿敵である涼太を選んだ。 ――私はおばあちゃんが大好きだから。 彼女が「英樹はあなたのことを愛してないわ」と言うなら、私はもう英樹なんて必要ない。
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私だけの光が、オーロラの下で輝く - All novels & stories
アメリカン無糖
A国行きの航空券のキャンセルを申し出ると、カスタマーセンターの担当者は少し意外そうに尋ねてきた。 「こちらの便は残り2席となっておりますが、本当にキャンセルされてよろしいでしょうか?」 私は「はい」とだけ答えた。 付き合って4年。彼は毎年2月になると決まってA国へ飛んでいた。 「撮影の仕事だ」と言い、インスタには氷河やオーロラの写真ばかりをアップしていた。 私も一緒にオーロラが見たいと言うたび、彼はいつも「寒すぎるから、お前には耐えられないよ」と言ってはぐらかした。 昨日、彼の古いハードディスクを整理していて、パスワードのかかった「2月」という名のフォルダを見つけるまでは、私もずっとそう信じていた。 ロックを解除して開いてみると、そこは同じオーロラの下に立つ、たった一人の女性の写真で埋め尽くされていた。 光と影が優しく交じり合い、彼女の髪の毛の一本一本までが鮮明に、そして美しく切り取られていた。 彼が私を撮ってくれた唯一の写真は、マンションのエントランスで撮られたものだけだ。 逆光でピントも甘く、私は眩しそうに目を細めていて、顔すらまともに写っていなかった。 あの時、彼は笑いながらこう言った。 「まあ、お前だってわかればいいだろ」 彼の写真の腕が悪かったわけではない。ただ、私を綺麗に撮る気がなかっただけなのだ。 この4年間、オーロラを追いかけ続けた彼の隣には、いつもあの女性がいたのだ。 そして、私がこれまでに見た最も遠い光は、彼が何気なくSNSに投稿したA国の写真でしかなかった。 荷物をまとめていると、彼から電話がかかってきた。ひどく焦ったような声だった。 「ずっとオーロラが見たいって言ってただろ。なんで航空券なんかキャンセルしたんだよ?」 私は何も答えず、そのまま電話を切った。 A国は遠すぎるし、オーロラは冷たすぎる。 彼が私の方を向いてくれないのなら、私自身で光の差す場所へ歩き出すまでだ。
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さようなら、クズ男 - All novels & stories
秋風は人離れず
午前3時、隣に住むご近所さんから私にLINEが届いた。 「ちょっと静かにしてよ!この扉、防音なんてまるでないから、彼氏とイチャつくのを全部聞こえてくるのよ!」 だけど、その頃の私は、遠く離れた出張先にいた。 「4万をあげるから、録音して証拠を残してもらえない?クズ男を懲らしめるわ!」
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生まれ変わった私は、元夫の臓器を提供した - All novels & stories
言々
長年の親友である梅子は末期がんだと告げられ、最期の願いは浩一の妻になることだった。 浩一は私の手を取り、諭すように言った。 「戸籍上の書類なんて形だけのものさ。俺の心はずっと雅子のところにあるんだから」 息子の大輔まで私を責め立てた。 「お母さんがお父さんと離婚しないから、梅子おばさんは何十年も影で苦しんできたんじゃないか」 梅子の治療費のために、大輔は留学の夢を諦め、さらには婚約者との縁を切って梅子の娘と結婚すると言い出した。 必死に懇願する父子の姿を見つめながら、私は迷うことなく頷いた。 「梅子は私の大切な親友だもの。もちろん認めるわ。 ただし、条件があるの。家と車と預金は私の物。息子は君たちが引き取って」 区役所戸籍課で、二人が嬉々として婚姻届を提出する様子を見ながら。 私は静かに微笑んだ。私には前世の記憶があったのだから。 梅子のがんは偽りだった。でも、浩一の末期がんは紛れもない事実だった。
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死んだ後、偏愛の両親は後悔した - All novels & stories
刹那忍
物心ついた頃から、俺の世界は不平等でできていた。両親は弟を懐に抱き、俺だけを田舎へ置き去りにした。 ようやく彼らの元へ引き取られても、両親は弟の機嫌ばかりを優先し、俺を邪険に扱った。 「兄さんには躾がなっていない」と弟は嘲笑う。奴は他人に自分を殴らせ、それを俺の暴力だと訴えた。両親は盲目的に、愛する弟の虚言だけを信じた。 そうして俺は、あの「全寮制学校」へと送られた。 両親の黙認と、弟の教唆。教師と呼ばれた男たちは、俺に非人道的な「教育」を施し続けた。 ついに、彼らの願いは叶ったのだ。 俺は、立派に「更生」された。 ――そうして、死んだ。
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あの朝別れて、遠く離れた彼方へ - All novels & stories
終雪
共通テストの自己採点結果が出たあの日、私、古谷未来(ふるや みらい)は彼氏の三浦修平(みうら しゅうへい)と、卒業記念旅行の帰りの新幹線に揺られていた。 もちろん、血の繋がらない姉の浅見千佳(あさみ ちか)も一緒だった。 千佳は昔から窓側の席を譲らない。修平は当然のようにその隣に腰を下ろす。 気づけばこの旅の間、一人取り残されているのはいつも私だった。 「僕とちぃちゃん、志望学部のことちょっと話したいんだけど。みぃちゃんはまだ自己採点、微妙な感じでしょ?隣でドラマでも観てて」 車窓の景色が流れていくあいだ、ふたりの笑い声だけが響いて、私の入る隙間はどこにもなかった。 これが、修平が3年前から約束していた卒業記念旅行の「現実」だった。 午前10時、予告されていた通り、各予備校から解答速報が出そろった。 千佳が声を弾ませて修平に抱きつく。 「やったぁー、この判定なら、西京大のどの学部でも狙えるよ!」 修平も笑って答える。 「グループチャット見てよ。親たちがもうお祝いメッセージのラッシュだから」 私はふたりの後ろの席で、それを黙って聞いていた。ふいに、スマホから両親の弾んだ声が聞こえてきた。 「ちぃちゃんも修平も、こんなに取れるなんて!ほんと自慢の子たちよ」 続けて、修平の両親の声も混じった。 うつむいたままスマホを開くと、グループチャットにはやはり招待されていなかった。私を気にかける声は、どこにもなかった。 もういい。あのふたりはもう、これからの人生を選び終えたんだから。 私も、私だけの未来へ、迷わずに進めばいい。
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27.4K
おかしなオーナー - All novels & stories
小木
私の親友が亡くなった。彼女はまるでドラマの中のサブヒロインのように死んでしまった。 彼女の部屋にある鏡には、一連のモールス信号が刻まれていた。 訳すと「逃げろ!」だった。
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愛は舞い散る花のように - All novels & stories
青空に薄い雲と狼
「涼宮さん、本当に名前を変えるおつもりですか? 名前を変えると、学歴証明書やその他の証明書、それにパスポートの名前も全部変更する必要がありますよ」 涼宮しずかは静かにうなずいた。 「はい、もう決めました」 窓口の職員はまだ説得を試みる。 「成人してから名前を変えるのはかなり手間がかかりますよ。 それに、もともとのお名前もとても素敵だと思いますが......もう少し考えてみてはいかがですか?」 「いいえ、もう考え直しません」 しずかは迷いなく改名同意書にサインした。 「お願いします」 「かしこまりました。変更後の新しいお名前は『飛鳥』でよろしいですね?」 「はい、そうです」 飛鳥のように、もっと遠くの空へ飛び立とう。
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82.9K
身代わりの家族 - All novels & stories
カレン・W
私の16歳の誕生日、3人の兄がシルヴィという女の子を連れて帰ってきた。 彼らは、彼女を家族の一員として扱えと言った。 その時は、何も変わらないと思っていた。 けれど数年後、すべてが変わった。 末っ子の兄ジェイスは、彼女のために私を階段から突き落とした。 かつて「一生守ってやる」と約束してくれた長兄アッシャーは、私に出て行けと言い放った。 私は言われた通り、静かに出て行った。 彼らはただの反抗期だと思っていた。 だからシルヴィを連れてフランスへ行き、私のことを気にかけることすらしなかった。 けれど彼らは知らなかった。 私はすでに契約書にサインしていたのだ。 それは、家族最大の宿敵と手を組み、最年少の化学者として身を置く契約だった。 白黒はっきりと記されたその内容により、私は二度と家へ帰ることはできなくなった。 私が本当にもう二度と戻らないのだと知った夜、彼らは壊れた。 誰一人として例外なく。
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再びあの日、皇帝を守るために - All novels & stories
ちょうどいい
陛下が刺客に襲われたその日、禁軍統領である夫は、機嫌を損ねて立ち去った想い人を追いかけ、私のそばにはいなかった。 臨月の身でありながら、私は救援を呼ぶための信号花火を放たなかった。代わりに陛下の前へ進み出て、この身を盾にして、陛下をその場から逃れさせる時間を稼いだのだ。 そうしたのは、前世の記憶があったからだ。 かつて私は信号花火を放ち、夫を呼び戻した結果、彼は陛下を救った功により護国侯に封じられた。だがその裏で、彼が置き去りにした想い人、青玉煙(せい ぎょくえん)は罠にかかり、命を落としていた。 夫は何も語らなかったが、私が子を産むその日、彼は私を猛獣の巣食う穴へ投げ捨てた。 「陛下のまわりには護衛が大勢いたはずだ。なのに、なぜわざわざ俺を呼び戻した?お前は権勢と富に目がくらみ、わざと俺を陛下の救援に向かわせたんだろう。お前が信号花火さえ放たなければ、玉煙は死なずに済んだんだ!」 冷えきった声でそう言い放ち、彼は私に、玉煙が味わった以上の苦しみを、お前にも与えてやると告げた。 私は獣に喰い裂かれ、腹の中の子さえ守れぬまま、無惨な最期を迎えた。 ――そして目を開けると、私は再び、陛下が刺客に襲われたその日に戻っていた。
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生まれ変り、ドンへの逆襲 - All novels & stories
花散る樹
妹が海外に行った後、私は彼女の身代わりとしてマフィアのドンであるロレンツォ・モレッティに嫁いだ。結婚して五年、私たちは互いに最も憎み合う存在となっていた。 彼は、私が妹を追い出し、策を弄して妻の座に収まったと信じて私を憎んでいる。私は、彼が私を常に身代わりとして扱い、対外的には決してその身分を公表しないことに絶望し、彼を憎んだ。 そして、私が「影の存在」として扱われるがゆえに、見栄っ張りな私の両親も屈辱を味わい、私を恨むようになった。 前世の最期、彼と私の両親は、妹のためにクリスマスを祝うことに夢中で、雪山に私を置き去りにした。 極寒の中、私とお腹の中にいたまだ見ぬ子供は共に命を落とした。 一方で、妹は誰からも愛され、生涯で最も幸福なクリスマスを過ごしていたのだ。 再び目を覚ますと、私は妹が帰国したその日に戻っていた。この二度目の人生、私はもうロレンツォにも、両親にも、愛を乞うことはしない。
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