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期待していないと言いながら

Author: 影畑凛星
last update publish date: 2026-09-08 19:00:17

 顔合わせから数日。

 佳苗の母親からは、何の連絡もなかった。

 普段なら、少し言い合いになったあとでも翌日には何事もなかったように連絡してくることが多い。それが今回は珍しく静かだった。

「怒ってるのかな……」

 佳苗はスマートフォンを見ながら呟いた。

「母親?」

 向かいに座っていた雄吾が顔を上げる。

「はい。顔合わせから一度も連絡がなくて」

「放っておけばいいだろ」

「そうなんですけど」

 嫌われたくない。

 怒らせたくない。

 そう思う癖は、まだ完全には消えていない。

 けれど、だからといって自分から謝るのは違う。

「私、言いすぎましたか?」

「何を?」

「お母さんの生活が変わるって期待しないで、って」

「事実だろ」

「そうなんですけど……」

「じゃあ、謝る

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