LOGIN町の中に入り、様子を見る。よく踏み固められた地面に、石造りの建物。およそ地震対策などが考えられていない、単純な造り。日本なら確実に揺れでつぶれているであろうその建物は、明らかに地震なんてものとは無縁であろうことが感じられる。
異世界の空気を胸いっぱいに吸い込む。酸味がかった、誰かの体臭にも似たその香りは、実際に誰かの、いうわけではなく、この世界の人々の衛生概念がそのぐらいであるか、こちらの世界の人々の体臭がひときわ濃いのか。とにかく酸っぱい匂いが少しだけ漂っていた。この匂いにも慣れていかなきゃいけないんだよな。
「では、まずは冒険者登録しましょう。市民証も兼ねた身分証みたいなものですから、持ってない人は田舎者か犯罪者ぐらいのものになります」
「異世界から来たのが犯罪じゃないなら取れるはずだな。何か取る際に制限とかそういうものはあったりするのかい? 」
「基本的にはないですが、向こうで何かしら犯行を行った後にこちらに来ている場合、引っ掛かる可能性はありますが……ないですよね? 」
「ないねえ。気づかないうちにやってる犯罪がなければ、だけど」
「じゃあ大丈夫だと思いますよ。意識的に行わない限りは犯罪者チェックは機能しないはずですから」
なら心配ないな。そのまま街中を歩いていくと、だんだん人通りが増えてきて繁華街の様相を呈してきた。見たことのある野菜の屋台や、見たことのない食べ物らしきものまで並んでいる。あれは生で食べるんだろうか。それとも煮るんだろうか。
「こっちの空気にはいずれ慣れますから、とりあえず今日は冒険者登録と宿を決めてしまいましょう。その後でいろいろこっちの世界の相場観や何やらを説明することになると思います。メモとかいりますか? あると便利ですよ」
「そうだねえ。紙が高級品でなければいいんだけど」
「そこそこ高級品ではありますけど、買えないほどの値段ではないですから大丈夫ですよ。一応通常使いできる程度には量産されている価格ではあります」
ふむ、やはり紙はまだちょっとお高い文明度らしい。そういえば最近は紙もお高くなってきているし、もしかしたら現実世界の文明度は少し後退しているのかもしれないな。
しばらく歩いて商店街を抜けた後、町の中心に来た。広場には鐘がある。おそらくは時間が来たら鳴り、皆に時刻を告げる役目があるのだろう。そう思っていると、ちょうど鐘が鳴る。
「お昼の鐘が鳴りましたね。どうしますか、先にお昼食べちゃいますか? それとも、登録が終わってから落ち着いて食べますか? 」
うーん、お昼か……先に食べてしまうよりは、後の予定が詰まらないように先に冒険者登録を済ませたいところだな。
「お昼はゆっくり食べたいし、先に登録を済ませてしまおう。南東側だから……あの建物か」
大きな剣と盾のマークの看板を掲げた、見るからに武力的なその建物には、武骨な武人のような人から踊り子のような格好をした人まで様々な人々が出入りしている。踊り子のような服装だが、実際には彼女も冒険者なのだろうな。
見た目と実力は比例しないだろうし、その格好で無事でいることそのものが実力の証なのかもしれない。しっかり見定めていこう。
建物の中に入ると、事務所のようなカウンターが表になっており、裏では一つに繋がっているのであろう、動線を塞がない構造の場所、そしてウケツケと書かれたカウンターが一つだけ点在している。そこにいけばいいのかな。
……と考えていると、イアンちゃんが先にウケツケに進み、俺がついていく形になった。
「冒険者登録をお願いします。こちらの方です」
「はい。新規登録ですね。まずこちらの記入は……出来ますか? 」
文字が書けるかどうかも大事らしい。識字率は100パーセントではないようだ。記入欄を読めて、カタカナが書ければいいそうなので、ペンを借りて書き込んでいく。
生まれて初めての羽ペンの書き心地に戸惑いつつ、必要最低限の記入を済ませて書類を返す。
「えーと、カタナシ様」
「タカナシです」
「失礼しました。タカナシ様。受付を完了しました。こちらの水晶に手をかざしてください」
ずっしりとした重さのある水晶が目の前に置かれている。
「一応ですが、犯罪者登録がされているかどうかの確認になります。滅多にはありませんが、念のための慣例になってますので手をかざしてください」
早速手をかざす。すると、なにも反応せずに水晶はその輝きを保ったままきれいに俺の手のひらを鏡のように映し出していた。
「はい、問題ありませんね。では、タカナシ様、冒険者登録の最終確認は終わりましたので、こちらで登録は完了となります。最後に、血を一滴いただいていいですか。冒険者証と体をリンクさせます」
言うが早いか、指先にちくっと針を指すと、そのまま血をカードのようなものに滴し、カードが光り始めた。
しばらくしてカードが光り終わると、そこには写真付きの一枚の身分証明書が出来上がった。これが冒険者登録か。なんか雰囲気出てきたな。一気に異世界感がググッときたぞ。
「無くされた場合は再登録に銀貨2枚と、冒険者番号の下一桁が増えることになりますのでご注意ください。下一桁が5になると強制抹消になって、これまでの実績もなかったことになります。悪用されないように注意してください。それでは手続きを終わります」
指先がまだしびれる以外は問題なく終わった冒険者登録。これで一仕事終わりか。さて、細かいことをイアンちゃんに聞きながら、まずは昼食を食べに出掛けるとしよう。
「お勧めのお店はあるかな? 」
「あります。ミニボアの串焼きが美味しい屋台と、座ってゆっくり食べれるけどちょっと騒がしい食堂がありますけどどっちがいいですか? 」
選べるのか。串焼き屋台で食べながら移動もいいが、今はこの世界について色々情報が欲しい。ここは食堂一択だな。
「食堂にしよう。ゆっくり意見を聞きたいからね」
「私もそっちがお勧めです。タカナシさんにはこれからについて話す内容がいっぱいありますからね。ゆっくり食べながらその辺をご案内しなければいけません」
イアンちゃんについていき、銀の卵亭という食堂についた。どうやら宿屋もかねてるようで、ここで宿泊することもできるらしい。食事が美味しかったらとりあえず今夜の寝床もここにするか。
「それでは、お昼はごちそうになったのです。私はこの書類をさっそく提出しに行くので失礼するのです」 足早にイアンちゃんは去っていった。連絡係は忙しそうだな。これも俺のせいではあるんだが、定期的にチェックをする仕事、とすれば仕方がないのかもしれないな。「結局、どうなったのですか? 」 セルフィはまだ袖を握ったままだ。セルフィの手から裾を離させると、セルフィの目を見てしっかりと伝える。「どうやら、休みが17日延びたらしい。その間、こっちに引き続き長く滞在することになりそうだ。さらに延びるかどうかはわからないし、最悪逆に短くなることもあり得るらしいが……今のところは問題なし、ということになると思う」 そう伝えると、セルフィの目の輝きがあふれんばかりにまばゆくなった。「じゃあもうしばらく、ご主人様はご主人様でいてくれるのですね」「俺としては早くご主人様じゃなくてタカナシと呼ばれたいところではあるが……まあ、そういうわけだ、ちょっと長くなった程度だが、よろしく頼む」「はい! 」 セルフィと二人で喜び合って、迷いネコのスープ屋を出る。大銅貨3枚でうれしいことがあったと考えれば十分利益になるし、17日の延長の間に……ざっくり金貨2枚は稼げる。最終日にセルフィに残していく金額を除いて全部換金すれば、それなりの資産にはなるだろう。 現世に戻った後に税金もしっかりとられるだろうが、それでも十分な利益にはなる。こうなったら、こっちで資産家になってセルフィには満足なだけのお金を置いていって、それでもまだ俺の懐に利益が入るように稼ぎまくってやるか。 その為にはいろんなチート知識が必要だ。石鹸づくり、化粧品づくり、リンスづくり、ガラス製品の開発……をするにはビランザの町へ行く必要もあるか。一度行ってみたいな、ビランザの町。どこにあるかもまだわからないし、どのぐらいの旅費や日数がかかるかまではわからない。 訪れて、落としても割れない強化ガラスの製造方法なんかを伝授して、今度こそ春のパン祭りを開
「まず、軽いほうからですと、稼いだ金額の一定報酬の没収があるのです。それではせっかく稼いだ意味がなくなるのでこの刑罰だけは受けないほうが良いと思うのです」 たしかに。だが、最悪すべてのお金をセルフィに託して帰っていく、という方法も取れるから、これについてはそれほど重荷になる刑罰ではないな。「その次に、有給休暇を使って働いているならば有給休暇を使うこと自体が罰、ということになるので、極端な有給休暇の日数削減措置が取られることがあります。これは最近あった事例ですが、有給休暇中に長距離トラックの運転手のアルバイトをして儲けていた人が、50日の有給休暇減を言い渡された事例がありますね。タカナシさんの場合、100日ぐらい行くかもしれません」 有休休暇中に働いたら罰則……そういうのもあるのか。有休を減らされてその上罰金まで取られるとなると、かなりのマイナスになるのは間違いないな。そうならないようにイアンちゃんを抱き込んでおく必要があるか。「あとは最悪の場合、拘禁刑にまで発展する可能性はあります。これはよほどのことがない限りは適用されることはなく、現時点でも過去の事例では一件しか存在しないらしいですが、何をしたら拘禁刑を申し付けられるほどの罰則を命じられるのかはわかりません。充分に注意してくださいね」 有休中に働いたら罰則どころか懲役か。そこまでの物になるのはちょっと想像しづらいが、そういう可能性がある、ということは覚えておいたほうが良いだろうな。 セルフィは足をぶらぶらさせながらこちらの話を真面目に聞いている。おそらく固有名詞や拘禁についてはわからないだろうが、罰金なんかは理解していると思われる。「ほら、だから働きすぎると悪いことも起きるんですよ。ご主人様はもうちょっと真面目に休むべきです。せっかく不労収入を稼ぎつつあるんですから、それにあぐらをかいてもっとゆっくりするべきです」「真面目に休むってのも変な話だが……まあ、とりあえず今日は休日だ。今後はよく考えて休むことにする……が、やることもそんなにないからな。娯楽は必要だな。もっと娯楽を世間に提供していくことを考
「見つけました、タカナシさん」 商業ギルドを出たところで、イアンちゃんに捕まる。なんか前もあった気がするな。イアンちゃんから用事があるってことは、アザーワールド社がらみ、つまり有休がらみの話である可能性は非常に高い。「おはよう、イアンちゃん」「おはようございます。今日はお仕事ではないんですか? 」 イアンちゃんが確認をしてくる。お仕事だったらこの間みたいに付き合いながらお話をする、という流れになるのかもしれないが、今日は休み、しかも昼時。ゆっくり食事をしながら話し合いができる時間だ。「暇だから問題ないよ。むしろどこかでご飯を食べながらゆっくり話をするぐらいの余裕がある。どこかイアンちゃんのおすすめのお店へ行こう。お金も今日は稼いだし、俺のおごりでもいい」「なるほどなのです。では、たまにはお言葉に甘えるのです。おすすめのお店は……この近くにスープの美味しい店があるのです。そこに行くのがいいのです」 もしかして、「迷いネコのスープ屋」ではなかろうか。ちょうどいいな。セルフィのほうを向くと、コクリコクリと肯定をしている。どうやら、イアンちゃんのお勧めに外れなし、と思っているようだ。「じゃあ、そこで。イアンちゃんのおすすめならハズレは引かないだろうからね」「信頼されていて何よりなのです。いくのです」 イアンちゃんについていくと、やはり行く先は「迷いネコのスープ屋」だった。今日はランチじゃなくて普通のスープを頼もう。さて、何味があるのかな。「三人で」「テーブル席にどうぞー」 案内され、テーブル席に着く。久しぶり……というほど間が空いているわけではないが、割と最近来たのでまだ店の雰囲気も覚えている。「お二人は来たことあるのですか。なんだか慣れている感じなのです」「実は先日二人で来たところなんだ。だから今日はランチ以外の違う味を試すチャンスかなって」「なるほどなのです。ここはランチ以外もお勧めなのですよ」 ミニボア肉の豆スープと、ガルキン肉出汁入りスー
商業ギルドに向かう。道中の、原料であるいろんな材木の香りを楽しみながら進む。木工工房も工房によっては作るものが違い、樽を作る工房、皿やフォーク、匙を作る工房、大工、荷車や車輪を作る工房、とそれぞれ作るものがある程度決まっている。 その中で徒弟に勉強をさせつつ、暇なときに他の仕事をさせるためにリバーシはちょうどいい小物らしい。あちこちの工房で作っているらしく、それぞれ工房の特色が出ているらしい。 それぞれ眺めてみたくはあるが、サンプルが商業ギルドにあるかもしれないな。商業ギルドで時間があればリバーシの台やコマの材質、ニスの厚み、触感などがそれぞれ違うものを用意されているのだろう。「さて、ラムーさんは何処にいるのかなっと……」 商業ギルドに到着して、カウンターでラムーさんを呼び出してもらうように頼む。居場所を探すのでしばらく待ってくれと言われたので、その間に商業ギルドの商品閲覧場所で、リバーシの台が何台か飾られていることを確認する。 銀貨数枚分の親方手作りの高級リバーシ台が並んでいるのを見る。値段は銀貨2枚から5枚ほどの価格帯が用意されており、数がそんなにないことを見ると、売れているのか、それとも参加している親方が少ないのか。その辺はラムーさんに聞けばわかるな。 やはり、底値は銅貨35枚というのが手習い価格らしい。このうち3枚は俺の取り分、ということだろう。木工工房の取り分がいくらになっているかはわからないが、ちゃんと金を払ってくれているのならいいな。 しばらくして、目の保養をし終えたぐらいでカウンターから呼び出しを受け、戻っていく。「申し訳ありません、ラムーは現在マヨチュッチュに行っているようです。急ぎの話でしたらそちらへ向かっていただけると助かります」「そうですか、わかりました。時間もありますしそちらへ向かおうと思います」「お手数をおかけします。よろしくお願いします」 受付を離れ、商業ギルドを出る。「セルフィは使ってみたいリバーシ台はあったか? 」「そうですね……綺麗な台はありましたが、使っている間
木工ギルドを後にして、モクロク親方のところへ向かう。木工工房が立ち並ぶ木工工房区までくると、色んな木材の香りがして、なんとも森に入ったような気持ちにすらさせられる。「このあたりへは初めて来ますね。いろんな木の匂いがします……あと、何かツンとした匂いもしますね」「おそらく、保護剤や接着剤だろうな。表面に塗ったりすることで長持ちさせたりする効果がある薬品だと思う」「よく知ってますねえ。さすがご主人様です」 二人でブラブラ木工工房をいくつかのぞき込みながら、モクロク親方の工房へとたどり着く。「おはようございます、タカナシです。モクロク親方いますか? 」 声をかけると、見覚えがある徒弟さんが顔を出す。「あ、タカナシさん。ご無沙汰してます。親方なら今特注品を作ってるので声をかけるのはちょっと」 徒弟さんが声を小さくしてモクロク親方に聞こえないようにしている。どうやらかなり集中して物作りをしている様子で、かなり細かい彫刻などを行っているのだろう。 徒弟さんがそれだけ神経過敏になっているということは、邪魔したらノミの一つでも飛んできそうな具合、ということかもしれない。俺も大声を出すのは控えよう。「実は徒弟さんに相談があってね。ちょっと木工ギルドでも確認してきた話なんだけど」 声のトーンを落として会話をする。セルフィと徒弟さんと三人で、膝を突き合わせて会話をする。「リバーシ用のコマを失くしちゃってさ。木工ギルドにスタンダード用のばら売りのコマがないか確認したら売り切れだって言われたのよ。もしかしたらこっちには予備がないかなと思ってきたんだけど」「なるほど、そういうことでしたか。確かに、バラ用のコマもこっちで作って木工ギルドに納品しています。いくつかでしたら融通が利くと思いますが、いくつ御所望ですか」 いくつか融通してくれるらしい。足りなくなるたびに木工ギルドかここへ足を運ぶのは面倒くさいな。まとめて五個ぐらい注文してしまうか。「じゃあ……5個いけるかな」「わかりました
いつもの朝が来た。昨日は大変だったが、今日もいつもと変わらぬ風景を与えてくれている太陽に少しだけありがとうの祈りを込める。 セルフィはいつも通り寝ているので、今日も先に起きて、ドアをきっちり閉めて身支度に井戸のところへ。昨日はしっかり体を動かしたし、ゴブリンとも戦って多少服に臭いが残っている。今日は戦闘服を洗ってしまおう。 どうせ今日は着ないのだ、洗ってドライヤーで乾燥させて、綺麗にして、また明日からの仕事に使うでも問題ないだろう。 顔を洗って歯磨きをして、戦闘服と肌着を石鹸で洗い始める。しばらくするとメリーさんが通りかかったので挨拶。「おはようございます、メリーさん」「おはようございます、タカナシさん。セルフィちゃんは? 」「まだ寝てますよ。もう少しすれば起きて……あ、今起きてきましたね」「おあよーございましゅ」 いつも通り寝ぼけたセルフィが水汲みにきたので井戸から水をとりだし、寝ぼけた顔の横に置いてやる。セルフィは寝ぼけた顔に水をぴしゃりと何度かかけて顔をごしごしとこすり……そして、眠気の取れたいつもの顔に戻った。 セルフィが顔を洗って房楊枝で歯磨きをしている間に洗濯を終わらせ、部屋でドライヤーをかけ始める。しばらくすると、セルフィも洗った服を持ってきたので、同時にドライヤーをかけてまとめて乾かしてしまう。「……そろそろ乾いていると思います」「そうか、どれどれ……まだ端っこが湿ったままだな。端っこを集中的に乾かしていこう」 脇の部分と裾の部分を集中的に乾かし、触って湿っぽさがなくなるまでドライヤーを使い続けて、服を乾かし終わったところで朝食を取りに食堂へ。「おはようリンカちゃん、朝食二つね」「おはようございますタカナシさん、朝食二つー! 」「あいよー」 親父さんの反応を聞いて席に着く。お通しこそ出ないものの、今日は白パンがあるかどうかは悩ましいところだな。 しばらくして、親父さ
朝が来た。相変わらず日の差し込みやすいこの建物の一室は、俺の目を直撃するように日が入ってくるので、目覚ましとしては中々に性能がいい。 ふともう一つのベッドに目をやると、セルフィが丸くなって眠っているので、もう少し寝かせておいてやるかと一人起き出し、トイレと顔洗いを済ませる。ボットン海綿トイレにも三日目にして慣れた。二日目は気になった、服に染み付いた自分の匂いも気にならなくなった。やはりこういうところではいかに早く慣れるかが大事だ、と神崎さんも言ってたっけ。 井戸から水を汲んで顔を洗うと、口もすすいで後は磨き砂でも口に含んで歯のほうも綺麗にしておく必要があ
食事を終えて、満腹になる。結局、もも肉の茹でたやつを追加で注文して、お金は定食と合わせて銅貨30枚ということになった。いいお店を教えてくれたのでここは俺のおごりだ。「さて、今後何をしていくかだが……ダンジョンへは一度向かってみたい。ダンジョンではどういう稼ぎができるんだい? 」「では、まず説明を。ダンジョンでは、モンスターの死体が残らず消滅します。その代わり、モンスターの体内に存在する魔石が必ず落ちてきますので、それを冒険者ギルドに出すことで報酬を得られます。モンスターが強いほど魔石の質もいいものが落ちると考えてください。そし
イアンちゃんのおすすめのお店に連れて行ってもらう。だが、少し血の匂いが残っている以上、まずは身支度を整えるのが先だ。イアンちゃんも一旦血の匂いを落としてから行きたいとのことなので、家へお互い戻って体を拭いてから再合流することになり、イアンちゃんに迎えに来てもらうことになった。 セルフィと宿に戻る途中で夜の鐘が鳴る。これは急がないといけないな。急いで宿に戻って、メリーさんに湯を二人分頼む。部屋に戻ると、ベッドがもう一つ運び入れられていた。どうやらセルフィ用にもう一つ運び入れてくれたようだ。ありがたいことだな。寝床をどうしようか少し悩んでいたところだ。「私の
日が暮れる前に門まで戻ってきちんと出入りを終える。「さて、急がないとな。今日は買い取ってもらうものが昨日より多いし、夜の鐘に間に合わないかもしれないな。血抜きはしてあるからある程度はいいとして、数があるからな。できるだけ急いで買取に出さないといけない、テンポよく行こう」「はい! 」 一日体を動かしてやる気があふれているのか、セルフィが鞘に入ったままの剣をぶんぶん振り回しながら町中を進む。「まず、冒険者ギルドに向かう。そこで今日の稼ぎを換金してもらって、それからそのお金で夕食をとって、宿を取ろう…&hellip