辺境の地に、冬が来た。 それは、じわじわと忍び寄る死のように、静かに、しかし確実に町を侵食していった。まず、空の色が変わった。これまで町を覆っていた鉛色の雲は、さらに重く、白く濁った色合いを帯び始める。太陽は日に日にその力を失い、昼間でも地上に届く光は弱々しく、何の暖かさももたらさなかった。 次に、風が変わった。乾いた砂埃を巻き上げていた風は、湿り気と、刃物のような鋭い冷たさを含むようになる。それは壁の隙間や屋根の穴から容赦なく吹き込み、人々の体温を根こそぎ奪っていった。 そしてある朝、セレスティナが目を覚ますと、世界は音を失っていた。 彼女が廃屋の扉を押し開けると、そこに広がっていたのは、一面の白だった。夜の間に降った雪が、町の汚れた地面も、崩れた瓦礫の山も、すべてを等しく覆い隠している。それは一見すると美しくさえあったが、この町に住む者にとって、雪は死刑執行を告げる白い布告書に他ならなかった。 その日から、追放者たちの労働は、地獄の様相を呈し始めた。 これまでの瓦礫撤去作業に加え、雪かきという新たな苦役が課せられたのだ。粗末な木の板を渡され、凍てつく風雪の中で、積もった雪を道脇へと押しやる。手袋などない。手枷の冷たい鉄が、かじかんだ手首の皮膚に食い込み、感覚を麻痺させていく。指先はすぐに紫に変色し、ひび割れて血が滲んだ。 セレスティナは、他の者たちと同じように、ただ黙々と作業を続けた。彼女の心は、あの鉄狼団の兵士の姿を見て以来、不可解な疑問と混乱のさなかにあった。だが、この圧倒的な自然の猛威と、肉体を苛む苦痛の前では、そんな思考さえも贅沢なものに思えた。今はただ、生きるか死ぬか。その単純な現実だけが、彼女のすべてを支配していた。 食事の配給は、さらに劣悪になった。 水で薄められたスープは、もはやお湯と変わらない。硬い黒パンは、凍てついてさらに硬度を増し、噛み砕くことさえ困難だった。人々はそれを、凍える手で必死に温めながら、少しずつ削るようにして食べた。 飢えと寒さは、着実に人々の体力を奪っていく。 最初に倒れたのは、足の悪い老人だった。彼は雪かき作業の最中、突然その場に崩れ落ち、二度と動くことはなかった。監督役の役人
Terakhir Diperbarui : 2025-08-12 Baca selengkapnya