母の命を踏みにじった夫へ、私からの断罪
結婚して7年。私は夫である警視正の淳に、千回以上も夫婦生活を求めた。
けれど、毎回彼の腰に足を絡めた瞬間になると、決まって幼なじみの遥香から電話がかかってきて、すべて台無しになる。
それでも結婚記念日の夜、淳はようやく「今日はちゃんと最後まで付き合う」と約束してくれた。
彼に押し倒され、あと少しで一線を越える――そんな時だった。
突然、遥香専用の着信音がけたたましく鳴り響いた。
「津村さん、ダンスの練習中にお腹ぶつけちゃって......私、もう子供産めなくなったのかな......」
その瞬間、淳の顔色が変わった。
彼は迷いなく私を突き飛ばし、遥香のもとへ向かおうとする。
私は慌てて腕を掴んだ。
「まず病院で診てもらったほうが――」
言い終わる前に、頬へ激しい衝撃が走った。
「遥香は俺が小さい頃から面倒見てきた妹みたいな存在だぞ!お前に人の心はないのか!」
怒鳴りつけると、淳は服もろくに整えないまま飛び出していった。
私が慌てて警察病院へ駆けつけた時、そこで目にしたのは、初めては必ず私に捧げると誓っていた淳が、遥香に跨がられたまま激しく体を重ねている姿だった。
彼の手は彼女の丸みを帯びた体をいやらしく撫で回し、下半身は淫靡な熱に濡れている。
怒りに震える私を前にしても、淳は面倒くさそうに眉をひそめただけだった。
「緊急だったんだ。放っておけるわけないだろ。
初めてくらいで騒ぐなよ。なくなったって死ぬわけじゃない。明日埋め合わせしてやる」
――昔、私がほんの少し彼に触れただけで、半殺しにされかけたことがあったのに。
滑稽だった。
7年間、この結婚を必死に守ろうとしていたのは、私だけだったのだ。
なら、もう終わりにしよう。