おこづかい頂戴
妻が、俺の従弟に一目ぼれしたんだ。
三人で離婚届を出しにいく途中、運悪く交通事故にあってしまった。
次に目を覚ましたら、なぜか三人そろって、俺と妻が婚姻届を出したばかりのあの日に戻っていた。
今度は、お互い何も言わなくても、このまちがった結婚を終わりにしようってことになった。
そして、妻は従弟と籍を入れて、二人で海外へ行ってしまった。
俺というと、国内に残って、必死に法律を勉強して、仕事に打ち込んだ。
あっという間に、5年が過ぎた。
従弟のおかげで、元妻は海外で人気のヴァイオリニストになっていた。高い出演料をもらって、たくさんのファンに囲まれているらしい。
一方で俺は、相変わらず法律事務所で、助けを求める人のために地道に働いていた。
そんなある日、親戚の集まりで、俺たち三人はまた顔を合わせることになった。
元妻は従弟に寄り添い、勝ち誇ったような顔で、俺に嫌味を言ってきた。
でも、俺が、「別の女性と結婚するつもりだ」と伝えたとたん、彼女は逆上してこう叫んだ。
「あの時は、ただの気の迷いだったのよ!なのにあなたが他の女の人とくっつくなんて、絶対に許さない!」